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9年ぶりの海開き(7月20日)

7/20(土) 10:22配信

福島民報

 はるか遠くまで太平洋が広がり、北側には火力発電所の煙突を望む。白い波が寄せては返し、●をなでる風と、かすかな潮の香りが心地よい。南相馬市原町区の北泉海水浴場は九年ぶりに遊泳客を迎える。

 震災前の二〇一〇(平成二十二)年には八万四千人ほどが詰め掛けた。津波でキャンプ場やシンボルの時計台が流される。市は二〇一三年から約十二億円をかけて、周辺を総合公園として再生した。駐車場や芝生広場、シャワー棟を設け、快適な環境が整う。夏を楽しむ憩いの場が戻ってきた。

 津波などによって関連死も含めて市内の千百五十一人が亡くなり、行方不明者は百一人に上る。海は昔から豊かな恵みも与えてくれた。だが、家族を失ったつらい体験に、見たくないという人も少なくない。鎮魂の思いと複雑な感情を胸に抱いて、日々を過ごす。

 二十日の海開きで、地元のNPO法人や各種団体が、ビーチバレーボール、サッカー、打ち上げ花火などのイベントを繰り広げる。サーフィンの愛好者には全国有数の名所として知られ、プロ選手の大会も開かれる。八年四カ月余りがたち、さまざまな記憶をとどめながら、被災地は少しずつ前に進む。

※●は順の川が峡の旧字体のツクリ

最終更新:7/20(土) 10:22
福島民報

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