ここから本文です

佐世保市への移住者 県内最多 生活支える支援課題

7/20(土) 15:00配信

長崎新聞

 2018年度の県外から本県への移住者(県が把握している人数)のうち、佐世保市に移住した人は215人で県内最多だった。市は「させぼ移住サポートプラザ」の相談体制の充実などが増加につながったと分析。一方、移住者や移住を支援する団体は、“よそ者”が地域でスムーズに生活をするための手助けの必要性を訴えている。(佐世保支社・嘉村友里恵)
 12日午後。カフェのようなカウンターが目を引く入り口の奥で、3人の職員が電話応対や事務作業を進めていた。「相談者が集中する日は、待ってもらうこともある」。藤川正樹移住マネジャーは充実感をにじませた。
 サポートプラザは、ほかの市町に先駆けて17年に開設した。移住に関する市の総合窓口として、JR佐世保駅近くの新みなとターミナルに設置。専任職員を置き、就職や住居探しなどさまざまな分野の相談に対応する。賃貸住宅への入居や奨学金の返還など、市の助成に関する手続きも受け付ける。予約があれば夜間や休日も対応する。
 「問い合わせにどれだけ丁寧に向き合えるかが(移住促進の)鍵」。県地域づくり推進課が強調するように、市は移住希望者が相談をしやすい体制づくりに力を入れてきた。実際、市役所に窓口があった16年度の相談件数は約180件だったが、18年度は約460件と約2・5倍に増加。移住者も過去最多に上った。

 移住を支える取り組みが充実する一方、移住者がなじみがない地域で継続的に暮らすための支援には課題も残る。
 「相談を通じて個人的な情報も伝えるのに」。この春に福岡県から夫婦でUターンした男性(35)は、賃貸住宅の助成制度を活用するためにサポートプラザを利用。手続きに関するやりとりの早さや対応に満足した。
 だが生活を始めてみると、指定ごみ袋の購入補助券の使い方や健康保険の手続きなど、自ら尋ねて初めて理解したり、後になって気付いたりすることが相次いだ。「佐世保では当たり前のことでも、移住者には通じないこともある」。“移住後”についても先回りして情報提供する姿勢を求める。
 サポートプラザは、移住後に定着せずに転出した事例を約10件把握している。子どもが学校になじめなかったり、仕事が合わなかったりしたことが理由という。地方移住を支援するNPO法人ふるさと回帰支援センター(東京)の高橋公理事長は、「住居や雇用の確保と同じく、移住者を孤立させない仕組みを地域につくることも必要だ」と強調する。
 サポートプラザは、移住者交流会の充実や、各地区で地域のルールを教えたり移住者の悩みに応じたりする人材の育成に取り組む方針。藤川マネジャーは「いかに定住してもらうかに力を入れる時期にきている。地域と移住者のつながりを生む体制を整えたい」とした。

最終更新:7/20(土) 15:00
長崎新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事