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われわれは敵ではないよ!松山英樹に伝えたいこと

7/20(土) 23:56配信

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)

◇メジャー第4戦◇全英オープン 2日目(19日)◇ロイヤルポートラッシュ(北アイルランド)◇7344yd(パー71)

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北アイルランドのリンクスコースで味わった1年ぶりの予選落ち。最終18番グリーンでは同組で回ったリッキー・ファウラーと「しかたないよね」といった風情で笑いあった松山英樹だったが、アテストを終えて記者たちの前に現れたときにはもう、雲のすき間から一瞬射した光のようなその笑顔は失われていた。松山は一段高いインタビューエリアに立つと、強張った表情のまま、われわれの視線のはるか上の一点をじっとみていた。

「全英オープン」は直近4年で3度目の予選落ちとなる。たしかに、2日目はスイングが乱れていた。1番でOBとした3Wショットのように右に出る球が多く、それを嫌がって左への引っ掛けも出た。球を曲げたり、転がしたりするイマジネーション豊かなゴルフではなく、一直線にピンを目指す松山のゴルフが跳ね返されたという見方もできる。マッチプレーでも駆け引きしない一本気のゴルフでは、こぶに跳ねてラフに入ったり、突風が吹いてナイスショットがそうでなくなったりするリンクスでは、あまりに想定外が多過ぎる。それに、どうしてもロングパットが多くなるパッティングの向上も課題だろう。

だが、技術的なことは本人が一番理解して考えているのだから、横から言えることはなにもない。あえて一記者として言うとしたら、もう少し、記者たちを怖がらずに自然体で接することができるなら、なにかが変わるんじゃないのかな?という想いだ。われわれは、あなたの敵ではないのだから。

普段の米ツアーと違い、メジャー大会ともなると多くの日本人記者が取材に訪れる。米ツアーに来た当初から、松山は大勢に囲まれる取材が苦手だった。いまでもそうだ。練習ラウンド中もメディアが大名行列のようにロープ内に入って付き従う。なにをするにもテレビカメラで追われ続けるストレスは相当なものだろう。目立ちたがり屋なら嬉しいかもしれないが、松山がそういうタイプでないことはあきらかだ。本当にイライラするし、嫌だろう。だが、世界の頂点を極めるには、そういう苦手なことも克服していかないといけないと思う。

目の横にブリンカーをつけた状態では、まっすぐ走ることはできても、状況の変化には対応できない。普段はゴルフを観ない記者でも、政治や経済、他のスポーツには詳しかったりするかもしれない。練習の邪魔になるなら、「ちょっと下がってもらえますか?」くらい言ってくれれば、その意向に配慮しない記者はいないはずだ。世界最高峰の舞台で戦っているアスリートに敬意を払わない方がおかしな話だ。逆に彼らから、なにかヒントを得られることもあるかもしれない。

押してダメなら引いてみる。急がば回れ。袋小路かと思ったら、空を見上げてみるのもいい。ゴルフはスポーツであり、ゲームでもある。無邪気にパッティンググリーンで遊ぶ子どもたちのように、もっとリラックスして楽しめばいい。(北アイルランド・ポートラッシュ/今岡涼太)

今岡涼太

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