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没後10年ヤスミン・アフマドゆかりのゲストが来日「彼女の作品はレガシー」

7/20(土) 14:31配信

映画ナタリー

マレーシアの監督、ヤスミン・アフマドの没後10周年に合わせた特集上映が本日7月20日に東京のシアター・イメージフォーラムでスタート。同監督にゆかりのある女優のシャリファ・アマニら4姉妹、そしてミュージシャンのピート・テオが来日し、記者会見に出席した。

【写真】「伝説の監督 ヤスミン・アフマド 没後10周年記念 特集上映」ビジュアル(メディアギャラリー他15件)

2009年7月25日、51歳で死去したヤスミン・アフマド。多民族国家マレーシアを背景に、民族や宗教、言語が混ざり合う作品を手がけた。母方の祖母は日本人で、祖母のルーツを描く次回作を日本で撮影する予定だった。本特集では彼女の長編全6作に加え、遺作となった短編「チョコレート」を含むオムニバス映画「15マレーシア」がスクリーンにかけられる。

シャリファ4姉妹は全員ヤスミン・アフマド作品に出演しており、長女のシャリファ・アリヤは「ムクシン」の母イノム役、同監督作の常連女優である次女アマニは「細い目」「グブラ」の主人公オーキッド役などで知られる。三女のシャリファ・アリシャは「ムアラフ」のロハナ役、四女のシャリファ・アリアナは「ムクシン」のオーキッド役を務めた。アマニは「彼女の作品はまさにレガシー。東京で繰り返し上映される機会があるのは、彼女の魂がここ日本で生き続けているということです。彼女が去って10年経ちますが、大好きな人たちとここにいられること、皆さんが彼女の作品を愛し続けてくれることを本当にうれしく思います」と感謝を伝える。

「タレンタイム~優しい歌」などに楽曲提供したテオは「こうやってヤスミンの思い出が日本で生き続けるのは、ここにいる私たち全員にとっても栄誉あること。ミュージシャンとして彼女と出会ったけど、そのあと映画をプロデュースしたりすることになったのも彼女やアマニさんとの出会いが少なくとも影響していると思う」と切り出した。親友でもあったヤスミン・アフマドとの別れから10年。マレーシアでは政権交代もあり、映画業界を含め現在も刻々と情勢が変化していることに触れる。また彼女との出会いを振り返り「『細い目』を観たとき、僕は当時暗い音楽を作っていたから、彼女に『あまり好きじゃない、おセンチすぎる映画だ』と言ったんです。同時に『ここ何十年かの中で一番勇気のあるマレーシア映画だ』とも伝えました。当時ああいった映画を作ることは危険をはらんでいた。彼女はアーティストとして自分の声を出し、常に次世代のことを考えて作品を作っていた。彼女との出会いは私にとって大きな転換でした」と語った。

その言葉を受け、アマニも「彼女はマレーシアを体現する存在でした」と続ける。ヤスミン・アフマドが手がけた多くのテレビコマーシャルを例に挙げながら「彼女が描いていたのは愛、融合、優しさ。彼女が亡くなってからマレーシアで起きた一番の変化は“共感”というものが少し失われたことだと思います。マレーシアは大好きですが、いい部分の遺産を維持する術を知らないマレーシア人が多いと感じます」と発言。「昨年の選挙で新政府が誕生したとき、私は真っ先に彼女のことを思いました。彼女は特定の政党や宗教のためじゃなく、マレーシアのために戦った戦士と言えます。彼女が亡くなったあとも、私たちは映画に関わって声高に意見を述べて果敢に戦っています。ヤスミンに関しても誰もが彼女に賛同していたわけではないし、私たちも自分のできることをやっていこうと思っています」と力強く話した。

「伝説の監督 ヤスミン・アフマド 没後10周年記念 特集上映」は8月23日まで開催。

■ 伝説の監督 ヤスミン・アフマド 没後10周年記念 特集上映
開催中~2019年8月23日(金)東京都 シアター・イメージフォーラム
前売り料金:特別3回券 税込3900円
当日料金:一般 税込1800円
<上映作品>
「ラブン」
「細い目」
「グブラ」
「ムクシン」
「ムアラフ 改心」
「タレンタイム~優しい歌」
「15マレーシア」

最終更新:7/20(土) 14:31
映画ナタリー

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