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【九州から伝えたい】「受け入れる避難所がない」自治体の消えない不安と悲鳴 被災して初めて突きつけられる課題

7/20(土) 10:05配信

九州朝日放送

「避難所を開けないと・・・」自治体のジレンマ

大雨が降って災害が起きそうになったら、避難に関する情報を出して住民に逃げてもらう。その情報を出すタイミングは市町村トップに委ねられています。

人口約2万4000人の広島県熊野町は、去年の西日本豪雨で土砂災害が起き、12人が犠牲となりました。

熊野町は避難勧告を出すのが結果的に3時間遅れました。熊野町の三村町長は避難所の問題で躊躇したと打ち明けます。

「避難情報を出しても避難所が空いてなかったり、職員が配置されていなかったりすると、住民からの苦情の処理に忙殺されるんじゃないかと考え、避難勧告に遅れが生じました」 

避難勧告などを出すとき、市町村は避難所に職員を配置します。つまり、職員の配置を終えないで避難勧告を出すと避難所に来た人が入れずにトラブルになる可能性があると熊野町は考えたのです。

消えない市町村の不安

西日本豪雨を受け、国は数字にあわせて住民がとるべき行動をまとめた「大雨警戒レベル」を今年の大雨シーズンから導入しました。

内閣府の防災担当職員は全国を回って市町村に説明を行います。

4月に福岡市で開かれた説明会では、レベル4(避難勧告・避難指示)で住民全員に速やかな避難を呼びかけるよう内閣府職員が自治体の防災担当者に求めました。

すると、自治体からは「警戒レベル4で全員避難と呼びかけても、住民全員分を受け入れるための避難所がない」「避難所の開設が間に合わない。住民にはどのように説明すればいいのか」などの不安の声が上がりました。

内閣府職員は「避難所が足りなかったり空いていなかったりしても、知人の家などに避難するなど住民それぞれに考えてもらうのがいい」と答えますが、納得しきれない自治体職員もいました。

「避難情報を出すのは市町村」のままでいい?

政令市を除いた全国の市町村の職員の数は、平成の30年間で20%減っています。(政令指定都市含まない公務員数…平成元年105万1465人→平成30年84万2161人 約21万人減 総務省しらべ)マンパワーの問題などから、避難情報を出すのを国や県が手助けしてもいいのではないかという意見もあります。

西日本豪雨を受け開かれた有識者会議では、山本順三内閣府特命大臣は1回目の会合で「国土交通省あるいは気象庁と連携しながらでありますが、各整備局あたりで総合的な判断をして、一斉に勧告なり指示なりが出せるようなシステムを考えたらどうだね」と発言。

また、国士舘大学の山崎登教授も「私も市町村をどのようにサポートするかということが、とても重要な課題だと思います」「比較的まだ余裕があるのは都道府県だと思います」「災害のときに、防災担当者はそんなにどこの市町村でも潤沢にはいませんが、そこがものすごく忙しくなるのです」と発言しています。

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最終更新:7/20(土) 10:05
九州朝日放送

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