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5人で作り上げるLUNA SEAの音世界、その臨界点を示した『MOTHER』

7/20(土) 18:00配信

OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回はLUNA SEAの『MOTHER』を紹介する。所謂ビジュアルロックシーンの先駆け的存在でありながらも、深淵な音世界を作り出すことでそのカテゴリーを完全に超越し、日本を代表するロックバンドのひとつにまで登り詰めたLUNA SEA。ジャムセッションで楽曲を作り込んでいくという極めてバンドらしい方法論を貫き続け、彼らならではの独自のサウンドを構築してきたスタンスは実に素晴らしいが、その姿勢の極北にあるのがアルバム『MOTHER』だ。20年以上前に発表されたアルバムであるものの、今聴いても勢いと緻密さが見事に同居した、人知を超えた印象すらある大傑作である。
※本稿は2015年に掲載

5人で作り上げるという基本スタイル

振り返るとLUNA SEAがシーンに与えた衝撃はかなり凄まじいものであった。インディーズ1stアルバム『LUNA SEA』をX(現:X JAPAN)のYOSHIKI主宰のExtasy Recordsよりリリースした話題性と、活動開始直後から多くのライヴをソールドアウトさせた実績を引っ提げて、92年にアルバム『IMAGE』でメジャーデビュー。パンクやハードロックをベースとしながらも、テンションコードに加えて、ギターシンセやヴァイオリンをフィーチャーするなどして構築した音世界は初期からあか抜けていた。

ロックミュージックは得てして勢いで迫れば汗臭くなるし、緻密さや繊細さを強調すればマニアックになるが、勢いだけでもなく、緻密さだけでも、繊細さだけでもない。その両方を内包した音世界──言うなれば“瀟洒なパンク” “瀟洒なハードロック”がLUNA SEAのサウンドであり、そのそれまで触れたことのなかった音像に多くのリスナーが囚われの身になった。

そのオリジナリティーあふれるLUNA SEAサウンドは、メンバー5人で作り上げるというスタイルが基本。原曲は誰かが持ち込むものの、それをジャムセッションで作り込んでいく手法をとっていたという。それは今も変わっていないはずだが、その彼らならではの鉄則はやはり注目に値する。そういった方法論を用いたからこそ、LUNA SEAの音が生まれたのは間違いない。誰かひとりがイニシアチブを取るなり、プロデューサーがハンドリングしたのでは、あのサウンドには至らなかったはずだ。少なくとも当時のメジャーフィールドにそんなバンドはおらず、その方法論を貫いたスタンスは驚異的だったと言わざるを得ない。

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最終更新:7/20(土) 18:00
OKMusic

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