ここから本文です

「当たり前の人生」を生きたい トランスジェンダー家を買う

7/20(土) 8:01配信

SUUMOジャーナル

LGBTの当事者は、賃貸の部屋探しや物件購入に関していまだ制約を受けることが多い。 リクルート住まいカンパニーが実施した「SUUMO『不動産オーナーのLGBTに対する意識調査2018』では「LGBTを応援したい」と答えた不動産オーナーは37.0%と、まだまだ業界的に受け入れられているとはいいがたいのが現実だ。しかしLGBT当事者が実際に部屋を借りたり、物件を購入したりする際にどんな言動を受け、どんな思いをしているのか、生の声を知る機会は少ないのではないだろうか。

今回は、関東近郊に住む30代のトランスジェンダー、Aさんにお話を伺った。Aさんは戸籍上は「女」だったが、自分で認識している性別は「男」だった。20代で性別適合手術を受け、戸籍上の性別を「女」から「男」に変更。名前も同時に男性名に変えた。大学時代は賃貸で一人暮らしをしていたが、現在は結婚して一戸建てを購入。一児の父として暮らしている。Aさんはこれまで「住まい」に関してどんな不を感じて、どのように乗り越えてきたのか。当事者の一人称でお伝えする。

性別を書くと、担当者が「えっ?」

僕はいま30代後半だ。いまは注文住宅に住んでいるが、その前は3~4回ほど賃貸を住み替えてきた。なので、まず購入の前に、賃貸の部屋探しで記憶に残っていることを伝えておきたい。ただ、これは10年以上前の話なので、今もまったく同じとは限らない。そのことは心にとめておいてほしい。

まず、トランスジェンダーについて少し説明しておこう。「性的少数者に関する人権啓発リーフレット」(法務省)によると、トランスジェンダーとは「身体の性」と「心の性」が一致せず違和感をもつ人、と紹介されている。僕自身は、自己認識している性別が男性で、戸籍上の性別がかつては女性であった。

ちなみに僕は、20代半ばに戸籍上の性別を変更した。現在の日本では、戸籍の性別変更をするには性別適合手術をした後に、家庭裁判所に申し立てをして認められないと変えることができない。

住まいのことを考えるのにあたり、まず、戸籍の性別変更をする前のことを思いだしてみた。残念ながら、当時(約10年ほど前)賃貸の部屋探しで、必ずしも僕のような事情の人をすべての大家さんが認めてくれるわけではなかった。変更前は、見た目と戸籍が違う。当時の僕は、見た目は男。でも戸籍上の性別は「女性」で、名前も女性のものだった。

問い合わせの時点ではウェルカム。しかしいざ店舗に行って、申込用紙に性別を書いて名前を書くと、まず不動産仲介の担当者が「えっ?」と怪訝な顔をする。案内をしてくれて、申し込みをしたとしても、大家さん審査でNG。そんなことが覚えているだけで2回はあった。もちろん、自分がトランスジェンダーだったことが原因とは決めつけられないが、収入面など、他に目立った問題はなかったと記憶している。

もちろん、住民票どおりの女性を「演じること」はできなくはないが、当事者としては苦しいことだし、見た目が「男」であればそれも難しい。パートナーができれば、パートナーも一緒に好奇の目にさらされる。賃貸契約のたびに、心理的ストレスがかかることになる。

1/3ページ

最終更新:7/20(土) 8:01
SUUMOジャーナル

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事