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キオクシアって何?社名から「東芝」が消えた企業たち

7/20(土) 15:14配信

ニュースイッチ

落日の電機産業

 キヤノンが東芝から買収した東芝メディカルシステムズが社名をキヤノンメディカルシステムズに改めて1年余り―。医用画像診断装置における生産技術のデジタル化を進め、2019年中に本社工場をセミ自動化する。現場の強みを汎用化することで原価低減や品質の均一化で競争力を高め、画像診断装置で悲願の世界3強入りを目指している。

 旧東芝メディカルは1930年に東京電気(現東芝)の資本で創業して以来、X線診断装置やコンピューター断層撮影装置(CT)、磁気共鳴画像装置(MRI)、超音波診断装置など画像診断装置を中心に事業を展開してきた。16年3月に東芝グループを離脱し、同年12月にキヤノングループの一員となった。

 東芝に限らず平成の30年は、電機王国が落日した30年だった。日本のお家芸だった液晶パネル産業がついに家元の手を離れる。ジャパンディスプレイ(JDI)は中国・台湾企業連合からの出資受け入れを決め、その傘下に入る見通しだ。JDIの不振は過度の米アップル依存にあり、2012年の設立当初に掲げたはずの“リンゴ依存脱却”に逆行する施策を繰り返した近年の経営の迷走が主要因だ。

 JDIは12年に当時の産業革新機構主導で日立製作所と東芝、ソニーの液晶パネル事業を統合して発足した。「今のJDIは設立直前の東芝の液晶事業と全く同じだ」(INCJ元幹部)と既視感が強い。東芝はアップル向けの売上比率が高く、経営不振の一因とみられていた。「東芝はアップルから資金支援を受けて最先端の設備に投資しまくったが、アップルからの発注が止まって急激に収益を悪化させた」(同)と7年かけて同じ間違いを繰り返した格好だ。

 東芝の中小型液晶事業はまず2002年に松下電器産業(現パナソニック)と事業統合、同年4月1日付で「東芝松下ディスプレイテクノロジー」が誕生した。出資比率は東芝が60%、松下電器が40%。その後、電機各社の事業再編に伴い2009年に東芝松下ディスプレイテクノロジーを完全子会社化し「東芝モバイルディスプレイ」に変更になった。

 家電や半導体で世界をけん引した日本の電機産業が追われる立場から追う立場に変わった30年。「令和時代」は、身の丈に合わせた道を探るのか、それとも覇権とりに再び動くのか。平成が電機産業に残した問いは重い。

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最終更新:7/20(土) 15:14
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