ここから本文です

「産め働け」と言うけれど…3度の落選、入れない保育園 「無償化の前に受け皿を」

7/20(土) 5:10配信

沖縄タイムス

 「争点」の足元で(3)幼保無償化

 待機児童率が全国ワーストクラスの沖縄。「政府は産め働け、と言うけどできない」。2歳の息子を育てる公務員の女性(33)=浦添市=はうなだれる。

【何これ、差別?】公営住宅の申請窓口に「貧乏退散」シール

 育休復帰を目指し、息子が1歳の誕生日を迎えた2018年2月に合わせて認可保育園に申し込み、落選した。同年4月入園で再び応募したが駄目。育休を延長し2歳となった今年4月も、また落ちた。諦めて認可外の美咲保育園に預け、5月に職場復帰。だが、1カ月後に突然経営難による閉園通知が届き「頭が真っ白になった」。

 ■低調な議論

 職場に頼み込んで何度も休みをもらい、保育園7、8カ所を見学したがいずれも満杯。市外を回っても見つからず、職場に2度目の育休が取れるか聞こうとしたところで、一転して園存続が決まった。

 女性には、政府の掲げる「1億総活躍社会」が空虚に響き、参院選を前に子育て政策の議論も低調に映る。10月からは幼児教育・保育無償化も始まるが「経済的に助かる世帯も多いと思う。でもまず先に、行き場のない子の受け皿を整えてほしい」と訴える。

 内閣府の試算によると、無償化の公費負担額は年収約640万円超の世帯に50%配分され、従来から保育料が減免されている住民税非課税世帯は1%にとどまる。一方で、財源となる消費増税はどの層も同じ負担で、不公平感も漂う。

 実態は幼稚園や保育園に近いが、保育方針などの違いから行政に認可外として届けず、無償化の対象外となる園もある。

 ■線引きの曖昧さ

 読谷村の古民家で約30坪(約99平方メートル)の園庭を備える「そらいろえん」。個々のアレルギーに配慮した給食などに引かれ、南は浦添市、北は名護市から1歳半~5歳児の20人が通う。アレルギーで他園の食事が食べられない子も多く、定員は常にいっぱいだ。

 08年に認可外で開園したが、村から当時支給されていた米や牛乳などが重度アレルギーを抱える子の体質に合わないなどし、11年に「自主保育園」を掲げた。人気の高い畑作業など自然の中での活動方針が、行政が認可外に求める基準に合わないのも一因だった。

 無償化を前に、認可外として運営するか保護者会で協議を続けたが「当面は現状維持」に落ち着いた。山本真紀園長は「基準未満の認可外は無償化対象で、ここは保護者の満足度が高くても対象外。働きたくても働けない保護者も専業主婦(夫)として対象から外されてしまう。線引きの曖昧さや不公平感は拭えない」と話す。(社会部・篠原知恵)

最終更新:7/20(土) 17:55
沖縄タイムス

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事