ここから本文です

リブラはなぜ危険なのか

7/21(日) 12:10配信

ニッポン放送

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月19日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。Facebookが発行を計画している暗号資産である「リブラ」について解説した。

リブラ~Facebookが発行を計画する暗号資産(仮想通貨)

リブラはFacebookが発行を計画する暗号資産(仮想通貨)のことを言う。G7ではこのリブラについて、マネーロンダリング(資金洗浄)への悪用や、各国の中央銀行が行う金融政策への悪影響などに懸念する指摘がなされたが、ではリブラとはいったいどういうものなのか。まずFacebookの利用者は、スマートフォンのアプリを通じて多数の企業が参加するリブラの運営会社にお金を送金する。すると引き換えに仮想通貨リブラが発行される。利用者はこのリブラを使って、買い物や国内外への送金ができるほか、リブラを現金化することができる。Facebookの利用者は世界でおよそ23億人いると言われていて、仮想通貨リブラは多くの人が利用すると予想されている。

飯田)ある意味でSuicaやPASMOみたいな、入金するとその分のお金がカードに入る、カードは使わないですけれど。いまのところはそれに近いものと言われていて、運用は暗号であるということです。

宮家)しかし、Facebookは小さな会社ではなくて、国際的なネットワークを持つ巨大企業ですよね。しかもサイバーの空間で自由にやれるわけですから。簡単に言うと、これまでは主権国家が独占的に、EUは別ですけれど、各国の通貨をコントロールして来た。そのような通貨主権主義対グローバリズム、究極のお金に関するグローバリズムがリブラなのでしょう。ちなみにリブラとは、てんびん座という意味ですよね。

飯田)Libraですよね。

リブラが危険な理由

宮家)それは置いておいて、宇宙人がやって来て地球人が全員で戦わなくてはいけないとなると、国際的な協調が一気に進んで世界政府ができるかもしれない。そうしたらリブラは最高です。しかし、まだそんな時代ではないでしょう。現在は、各主権国家が独占的に通貨をコントロールすることで経済が機能しているわけです。これをどうやって変えるのか、一気に変えるのだったらいいですけれど、そうでなかったら弊害の方が多いと思います。私は専門家ではありませんが、通貨というものは価値がありますよね。それから信用を与えることもできます。同時に各国にとっては中央銀行による経済・金融政策の手段でもあるのです。だから下手にリブラが普及すると金融政策が機能しなくなってしまう可能性があるということです。それが本当に我々にとっていいことなのか。

もちろん、短期的には便利かもしれません。しかしG7が、もしくはIMFが本当に自由にやらせるとはとても思えないですよね。下手をすると悪用されるだけではなくて、各国の経済政策自体が機能しなくなる、もしくは弱体化してしまう。Facebookを利用する人たちはいいかもしれないけれど、それ以外の人たちのことを考えると、非常に危険ではないかとすら思います。こういう形でG7が財務相会議で反対しそうな雰囲気だというのは、当然だと思いますよ。

飯田)アメリカ国内でも議会の公聴会でこの話が出ていて、Facebookは信用できないというようなことも出ているし、国家の主権の部分を著しく侵害する可能性があるという意見が出ています。

宮家)民主主義の国であれば、国民がチェックできるのですが、リブラを誰がチェックするのですか。各国ができなくて、それが一企業によって恣意的に運用されたらもう終わりですよ。影響があまりにも大きいですから。EUのなかのユーロも必ずしもうまく行っていない、そう考えるとリブラもそんなに簡単でないと私は思いますけれどね。

 

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

最終更新:8/30(金) 13:25
ニッポン放送

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事