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「この罪は二ドルに値します」あるオーストラリアのゴルフ倶楽部にあった“罰金タイム”のいい話【ゴルフ】

7/21(日) 16:31配信

みんなのゴルフダイジェスト

ラウンド中上手くいかずにイライラ。ついついディポットやピッチマークの修復をし忘れてしまった経験はないだろうか。あるゴルフ場では自己申告制の罰金タイムがあるとゴルフマナー研究家・鈴木康之はいう。自身の著書「脱俗のゴルフ」からエピソードを紹介。

飛び跳ね二ドル ディボット三ドル

遅刻は競技失格です。しかし人の裁きには情状酌量というものがあってよし。スタート時間の後五分以内に来たら、ストロークプレーでは二打罰、マッチプレーではそのホールの負けで許してあげたらどうか、JGAは各クラブの委員会にそうすすめています。

いや遅刻にはもっと重罪を、と異を唱える知人がいます。そうかトーナメントでは一人でも二人でも失格や不利を食らえば、そのぶん自分たちの順位が上がるのだからみんな賛成するだろうというわけか、と思いきや、彼の言うのはそうではなくて、プライベートコンぺの話。

「朝から仲間たち、とりわけ幹事をやきもきさせ、スタートの組み替えの面倒をかけ、コースにはバッグの積み替えなどの手間をかけさせるのだから無罰で許していいはずがない。遅刻はもっと重罪にしたほうがいい。罰金だ」と言います。

意見はごもっともです。スタート時間の前三十分過ぎから罰とし、十分刻みに高額となる。途中で電話もかけてこないような不埒な輩は倍額だ、と罰金庁長官は仕組みまでご用意です。罰金はすべてパーティ代の足しにする。

パーティといえば、早退も当然罰金です。仕事があるからとパーティに出ないで帰る人がよくいます。みんながしがらみを切り捨てて来ているのに、ひとり仕事の場へ戻る、あるいは彼女のもとへ駆けつけるとは、パーティの仲間たちを寂しがらせるばかりか、ゴルフ友だちを捨て仕事や彼女のほうを取る不届きな行為。罰金庁長官は「パーティ代二人分の罰金に相当する」と言います。「たかが仕事やたかが女のほうを取るケチな野郎さ、罰金におののいてパーティに出るさ」という読みです。

ニギリも罰金も金額さえほどよければ、チョイ苦もチョイ辛もご愛嬌のうちです、ゴルフの香辛料としてよく効くものになります。

亡くなられたオーケストラ指揮者の岩城宏之さんがかって話していました。岩城さんがメンバーになっていたオーストラリアのあるゴルフ倶楽部では、バーでみんな時間を忘れて寛いでいると、暮れなずむ刻限、誰かがグラスをスプーンでチリンチリンと鳴らす。これをを合図に罰金タイムが始まるのだそうです。自己申告がルールで、他人がとやかく言ってはならないのが決まり。

「はい、俺は一ドル。トムが打とうとしていた時、ハリーに大声で話しかけてしまった。悪かったよ、トム」

「はーい、僕はロングパットが入った時、嬉しさのあまり飛び跳ねた。グリーンをたいそう傷つけてしまったに違いない。この罪は二ドルに値します」

「今日の相手のチャーリーの長いパットが、八番でカップを覗きながら手前で止まった。十二番ではクルッと回ってはじかれた。十六番ではまさかの4パット。そのつど俺は大喜び。でも、口には出さなかったんだから一ドルで勘弁してくれ」

「私は十五番でダフリの三連発。キレちゃって、いま思い返すと二度目と三度目の時はディボットをそのまんま、目土も入れずに来ちゃったなあ。反省、三ドル」

さて上納された罰金ですが、紙ナプキンに包まれて、グリーンキーパーたちに渡されるのだそうです。羨ましいクラブライフです。

みんなのゴルフダイジェスト編集部

最終更新:7/21(日) 16:31
みんなのゴルフダイジェスト

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