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社長が1カ月育休、ライフを豊かにするためワークを選ぶ製薬会社

7/21(日) 13:39配信

ニュースイッチ

社員の半数が外国籍の参天製薬、社長が自ら実践し残業ゼロも

 参天製薬は、社長が率先して働き方改革を実践している。谷内樹生社長は、2月から約1カ月間の育児休業を取得したことで話題になった。また残業ゼロも実行している。同社の男性の育休取得率は5%程度とまだまだ低いが、社長就任からまだ1年あまり。改革を着実に推し進めようとしている。

 育休取得の経緯について、谷内社長は「特に狙いがあったわけではない」という。育休をとることはそれほど自然なことだった。約3年半のヨーロッパ勤務時代に受けた影響が大きかった。現地でのワークライフバランスの考え方は、日本と大きく異なった。「彼らはライフを豊かにするためにワークを選んでいる」(谷内社長)。

 育休を取得するのが当然の環境で働いてきたこともあり、2人目の子どもが生まれるとわかった時には、育休を取るために仕事の調整を始めていた。実際には休業中もリモート会議などテレワークで仕事をしていたが、家事や育児を通して「家族と過ごす時間が多くとれた。よかったことは多い」。

 社長自ら育休を取得したことについて、社外からも評価されることが多かった。昔は得意先に迷惑をかけるからといって取れない雰囲気もあったが、世の中の流れも変わってきたという。社内でも、部下たちから「次があれば取得したい」との声も多くなっている。

 これまでの働き方改革について制度の整備を進めてきたが、運用面で事例が少なく反省点もある。対策として「ただ目標を立てて社員に丸投げするだけでは意味がない」と谷内社長。会社の業績を伸ばしつつ、無理なく社員が休みを取れるようにするのが最も難しい点だ。同社では無駄な仕事を減らすなど生産性を向上させ、そのための投資も進めつつ現実的な目標を模索している段階だ。

 働き方改革は、国内外から優秀な人材を確保するための手段でもあり、会社の成長にとっても重要な要素となる。

  同社はすでに社員約4000人のうち半数以上が外国籍。そんな中、日本でビジネスのプロジェクトを立ち上げた際に「『育休も有給も取れない、残業も多い日本に行きたくない』と彼らに言われてはだめだ」(谷内社長)。

 また世界で採用を進めるには、より大きなブランド企業と比べて「職場環境がよくないと優れた人材は採れない」(同)と、労働環境の改善には強い危機感を持っている。

 上司が休みをとらないと、部下は休みを取りづらい。この状況を踏まえ、無理なく取れるように上位の役職者から順に長期休暇の日を決定していく取り組みも始めた。有給取得の日数は、最低6日以上と決めている。社員がリフレッシュすることで会社にとってもいい影響があるという。

 意識改革を図ろうと谷内社長自ら社員向けのブログも始めた。ほぼ毎日更新しているといい、日本語をベースに英語や中国語でも執筆している。社長自身がゼロ残業で有給も多く、育休も取得する。そんな姿を社員に見せながら、さまざまな角度から改革に乗り出している。

日刊工業新聞大阪支社・田畑元

最終更新:7/21(日) 13:39
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