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アニポケ悪役「ロケット団」、ほんとうの使命 声優たちが明かす裏話

7/21(日) 15:24配信

BuzzFeed Japan

バラを背負った美男美女とばけねこポケモンが主人公たちの行く手を阻む。1997年に放送開始したアニメ『ポケットモンスター』に登場する悪役、ロケット団のムサシ、コジロウ、ニャースは不思議な存在だ。声の主、林原めぐみ、三木眞一郎、犬山イヌコの3名は、役柄のまま、ロケット団のようだ。女、男、ポケモン。各々異なる属性を持つ彼らは、何度痛い目を見ても立ち上がる。悪役なのにどこか憎めない人間味溢れる彼らを、演じる3人はどう見ているのだろうか。【BuzzFeed Japan / 嘉島唯】

ロケット団のほんとうの立ち位置

ムサシ、コジロウ、ニャースの3人組はアニメオリジナルのキャラクターだ。ゲームに登場するロケット団とは違い、バラを背負っても引けをとらない華やかさがあり、個性が立っている。

「ロケット団って不思議な存在で、敵役なのに1クールに1回ぐらい各々の過去を深掘りする回があるんですよ。ムサシの過去なんて、当時のシリーズ構成の首藤さんが、私自身が看護学校に行ってた事とだぶらせて看護婦エピソード入れ込んだそうですよ」(林原)

ムサシは極貧の幼少期を過ごした後、アイドルを目指したり看護学校に通ったりした過去を持つ。コジロウは大富豪の御曹司だったものの、友達がおらず、ポケモンのガーディだけを心の拠り所とする孤独な少年だった。

中でも人気なのはニャースの回だ。一目惚れしたメスのニャース・マドンニャに認められるため、2本足で歩く訓練をし、言葉を話せるようになる。満を持してマドンニャに披露すると、「人間の言葉を話すニャースなんて気持ち悪い」と一蹴される。

苦労の多い背景を知ると、ますますロケット団の謎が深まる。悪の組織に所属し、ボスに忠誠を誓う悪役なはずなのに。

「ポケットモンスター」シリーズ構成の脚本家・首藤剛志は、ロケット団の3人を「ちょっとだけ何の因果か、どこかの線が外れていて正当な生き方からずれてしまった」存在としている。

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番組の役柄上、悪役だから、手持ちのポケモンもろくなのが回ってこない。かわいいのや、かっこいいポケモンは、みんな主役たちが持っている。「ろくなポケモン」がいないから、「ろくなポケモン」の悲しさも分かる。自意識は強いが、本来は気のいい奴らなのである

――WEBアニメスタイル シナリオえーだば創作術 だれでもできる脚本家 首藤剛志
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彼らはいつも失敗するが、それは単に運が悪いだけ。彼らはいつも自分の立場に誇りを持ち、決して同情される存在に成り下がらない。「ヤな感じ~!」と言い放つが、決して「負けた」とは言わない。

この退場文句は林原の提案を三木と犬山が賛成して生まれたアドリブだった。

「悲鳴とともに飛ばされるだけだと痛々しい。そういう提案があってもいいんじゃない?と」(三木)

こんな逸話がある。首藤のコラムによると、放送開始直後の打ち上げで、林原、三木、犬山3人が揃って「なんだかんだと聞かれたら~」から始まる前口上を「この台詞、長いけど、絶対、はやらせてみせます」と宣言したそうだ。

単なる脇役にとどまらない。強い愛が声優側にもあった。

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最終更新:7/21(日) 15:24
BuzzFeed Japan

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