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大阪の美術館に出現、建築家によるマリメッコ茶室の見立てとは?

7/21(日) 7:00配信

Lmaga.jp

「大阪市立東洋陶磁美術館」(大阪市北区)で、10月14日まで開催中の『マリメッコ・スピリッツ  フィンランド・ミーツ・ジャパン』の会場内に、「マリメッコ茶室」が展示されている。

【写真】亭主の側と客の側で、テキスタイルの柄のトーンが違う

北欧のカラフルでポップなテキスタイルブランド・マリメッコと、千利休の「わびさび」の世界。一見、似ても似つかない要素が、茶の湯の美意識のもとで融合した。展示会場にある茶室は、大胆なドットのテキスタイルが張り巡らされ、しかも、形は八角形。かわいい! でも、これホントに茶室ですか?

設計したのは茶室建築家の飯島照仁さん。八角形の意図をこう語る。「利休型を根底とした、やさしい茶室を発想しました。球体が理想でしたが、三畳に板畳を入れて八角形としています」。

外壁のドット柄にも意味がある。「Kivet(キヴェット=石)は、堂島川の河岸をイメージしたものです。美術館は水辺にありますから、室内も水辺を連想させるLetto(レット=湿原)を」。おなじみのテキスタイルであるショッキングピンクのUnikko(ウニッコ=ケシの花)は水屋に使われている。「茶会で、茶道口が開いて亭主が登場するとウニッコの柄があらわれる、というストーリーです」。

ド派手な囲いに見えたこの「マリメッコ茶室」。実は、隅々にまで茶の湯をベースにしたストーリーが込められている。茶の湯には、テーマに沿って道具をアレンジし、見立てることで、物語と世界観を生み出す仕掛けがある。この茶室では、その「見立て」をフル稼働させて、利休とマリメッコの出会いを生み出した。しかも施工には、茶道裏千家家元出入りの職方が集結し、茶室の工法にならって、釘を一本も使わず組み上げられている。

「北欧の長くて暗い冬からマリメッコのような明るいデザインが生まれ、千利休も戦乱の時代に心が豊かになるものを求めた。自然を大切にするという点でも、両者には通じるものがあります」と飯島さんは説明する。

出川哲朗館長は「茶会ができる、本物の茶室をつくりたかった。それが、展覧会のテーマ『フィンランド・ミーツ・ジャパン』だと思います」と話す。世界にただひとつの「マリメッコ茶室」で、大阪からマリメッコへの「おもてなし」を感じてほしい。料金は一般1200円。

取材・文/沢田眉香子

最終更新:7/21(日) 7:00
Lmaga.jp

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