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自衛隊とイラン革命防衛隊の交戦「現実味帯びる」。米軍主導の有志連合参加が意味すること

7/22(月) 5:21配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

7月19日、イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IRCG)」が中東のホルムズ海峡で、イギリス船籍のタンカーを拿捕した。「国際的な航行規則に違反した」との口実だが、同4日にイランのタンカーが英領ジブラルタルで英軍に拿捕されたことに対する報復とみられる。

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ちなみに、イランのハメネイ最高指導者は同16日、「イギリスが海賊行為を行った」「われわれはその邪悪な行為に対し、適切な対応をする」と報復の意思を表明していた。最高指導者に直結する革命防衛隊は、その言葉を忠実に守ったわけである。

このようにホルムズ海峡の緊張が急速に高まるなか、アメリカは同海域での船舶の安全確保を行う有志連合構想「海洋安全保障イニシアチブ」について、60カ国以上の関係各国を招いた説明会を開催した。日本からも、在米日本大使館員が参加した。

この有志連合はトランプ大統領が打ち出した方針によるものだ。トランプ大統領はかねてより、アメリカだけが国際的な安全保障活動を行うことに否定的で、他の国々も負担を分担すべきという考えをもっている。ホルムズ海峡でタンカーが狙われている問題では、6月24日に「受益国がそれぞれの船を自国で守るべきだ」と発言している。

ペルシャ湾岸から原油を輸入している受益国は多いが、その中でも国の全輸入量の8割以上を同地域に依存する日本はトップクラスの受益国であり、アメリカから有志連合参加を打診されないはずはない。

アメリカ提案の中身

しかし、周知のとおり、自衛隊の海外派遣には高いハードルがある。国内の法的な問題と、世論の問題だ。とくに今回は、アメリカとイランが厳しく対立している状況で、その真っただ中に自衛隊を派遣しようというのだから、政治判断で軽々しく「有志連合に参加します」というわけにはいかない。

自衛隊を派遣するなら、どういった国益を守るために必要な措置であるかを国民に納得してもらう必要があるし、法的にも明確に正当性を裏づけなければならない。

もっとも、アメリカが提案した有志連合の中身をみると、参加へのハードルはかなり下げられている。

米政府の提案内容は本稿執筆時点では非公開だが、欧米メディアの報道によると、有志連合はアメリカが主導して参加国間の調整を行うものの、各国に求められるのは、ホルムズ海峡近辺の監視活動のみとされているようだ。参加国に民間船舶の警護は義務づけず、各国独自の判断で、警護するか否かを決められるとのことらしい。

また、この有志連合は洋上の治安のためのものであり、特定の国家、たとえばイランに対する軍事的な連合ではないことが強調された。あくまで同海域のパトロール活動という位置づけだ。

こうした話であれば、イランとの外交関係を重視する日本の外交当局も乗りやすいし、自衛隊の派遣に対する国民世論の支持も得やすい。国内法的にもほぼ問題ないだろう。

岩屋毅防衛相は7月16日に「自衛隊の派遣を現段階で考えていない」と述べているが、参議院選挙後の7月25日に米中央軍司令部のあるフロリダ州タンパでの再会合が予定されており、そこからは自衛隊派遣の方向で話が進むことが予想される。

アメリカは関係各国に対し、受益度や能力に応じて軍事的な参加だけでなく、資金協力も打診しているようだが、最大の受益国の一つであり、軍事的にも高い能力をもつ日本が、資金協力だけで済ますのは難しい。護衛艦の常駐および哨戒機の派遣などが議論されることになるだろう。

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最終更新:7/22(月) 18:01
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