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地震復興など論戦深まらず 参院選熊本選挙区

7/22(月) 8:07配信

熊本日日新聞

 参院選熊本選挙区は、自民党現職の馬場成志氏が圧倒的な組織力を生かし、野党統一候補の阿部広美氏との事実上の一騎打ちを制した。ただ大差の勝利は、足並みがそろわなかった野党側の“敵失”による側面も大きい。政策論争も全般的に盛り上がりを欠き、熊本地震からの復興の在り方などは最後まで争点にならなかった。

 地方組織が強固な自民党県連は4月の統一地方選から周到に準備。対する野党は推薦や自主投票など各党に支援の温度差が生じ、「共闘」の空回り感は否めなかった。

 選挙戦で馬場氏は政権与党の一員としての実績や、国政とのパイプ役をアピール。阿部氏は消費増税反対や最低賃金の増額など暮らし面の政策を中心に訴えた。熊本地震からの復旧・復興を巡っては、馬場氏がこれまでの取り組みの着実な実行を強調し、阿部氏は住まいや暮らしの再建が不十分と政権批判で対抗した。

 ただ、有権者の関心の低さは過去最低となった投票率47・23%に表れた。互いが自身の主張の“一方通行”に終始し、県民の暮らしに直結するはずの政策論争は期待外れに終わった。

 自民党は県内選挙区の衆参6議席を独占。全国的にも安倍自民の「1強体制」は維持された。とはいえ、いまだなお1万人以上が仮住まいを続ける熊本地震からの復旧・復興、「老後資金2千万円」の年金問題、地方創生への実感の乏しさなど、県民の多くが不安や不満を抱えているのも実情だ。

 前回、阿部氏は全市町村で自民現職に敗れたが、今回は荒尾市で馬場氏を上回った。

 馬場氏をはじめ自民は、「数の論理」だけでなく、一人一人の小さな声にも正面から向き合う姿勢がより一層求められる。野党は与党と相対できる体制を早急に整え、存在感を示すべきだ。(野方信助)

最終更新:7/22(月) 8:07
熊本日日新聞

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