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ショットメーカー同士の名勝負 勝負を分けた難易度10番目のパー5【記者の目】

7/22(月) 7:38配信

ゴルフ情報ALBA.Net

<サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース 最終日◇21日◇イーグルポイントゴルフクラブ(茨城県)◇6588ヤード・パー72>

小祝さくらのビューティフルスイング【動画】

優勝した小祝さくらは開幕前までボールストライキング(ショットのうまさを示すスタッツ。トータルドライビング順位とパーオン率順位を合算した値)で2番目、今大会で2位となったイ・ミニョン(韓国)はトップ。ショットメーカー同士のバーディの応酬をギャラリーは堪能した。

前半を終えて2位の小祝と3位の三ヶ島かなとの差はすでに4打。サンデーバックナインは完全に小祝とミニョンのマッチレースと化した。その1ホール目となる10番で小祝がバーディ、ミニョンがボギーとして順位が逆転。だが、その後もミニョンは崩れることなく、11番でともにバーディを奪うと、小祝が13番でバーディを奪えば14番でミニョンが長い距離を入れ替えしてバーディを奪い、再び1打差。一進一退の攻防が続く。

迎えた15番パー5。550ヤードと距離はあるが、この日の難易度は10番目。平均スコアは4.8868と、優勝するためにはバーディが欲しいホールだ。

だが、小祝はこのホールでティショットを右のラフに入れてしまう。予選ラウンド2日間ともバーディを逃した“いいイメージ”のないホールでスキをのぞかせる。かたやミニョンのティショットはフェアウェイの真ん中。ミニョンは2日目にこのホールでバーディを奪っており、イメージは悪くない。

さらに小祝はラフからの2打目をまたしても右のラフに入れてしまう。バーディを狙うためにもせめて100ヤード前後に置きたいところだったが、ボールはかなり手前。バーディはかなり厳しい位置だ。

これを見てミニョンは勝機と捉えたに違いない。ここで並べば残り3ホールで一番難易度の低い18番(パー4)のピン位置は右の奥。フェードが持ち球のミニョンにとってはチャンスのポジションなのだから。

だが、ミニョンは2打目を左に曲げてしまう。ボールが止まった位置はフェアウェイではあるものの、目の前の木がスタイミーな状況。高さもあり上は超えられない。ピンは左から6ヤードに切られており、狙うとすればかなりのフックボールが求められる。生粋のフェーダーにとって最悪の場所だった。

結局、木の下を通すフックボールでなんとか花道から転がしたものの右奥のカラーへ。25m以上ある距離を2打でまとめたのはお見事だが、バーディは奪えず。かたや小祝もしっかりと3オン2パットでまとめてパー。ミニョンは追いつくことができずにその後の2ホールは互いにパー。小祝の逃げ切りで勝負が決まった。

勝負のあやはこの2打目にあったと思う。あくまで結果論だが、ここでミニョンが追いついていれば最終ホールまで分からなかった。17番のティショットを林に入れることもなかったかもしれない。そうすれば17番でもバーディを奪う可能性もあっただろう。もちろんその後にバーディを奪えたかどうかなど分からないが、追いつくところはここしかなかったように思う。

裏を返せば、そのくらいお互いがミスをしない名勝負だったということ。小祝が「ミニョンさんもすごくいいプレーをしていて。ずっと1とか2打差だったので気を抜けなかった。とにかく目の前のプレーに集中しました。最後までお互いにいいプレーができて良かった」と話せば、敗れたミニョンは「満足しています。本当に楽しい勝負でした。お互いに競っていて。人生で一番楽しいプレーでした」とまで言ってのけた。

切磋琢磨のプレーが互いの潜在能力を引き出した。その結果が小祝のトーナメントコースレコードとなるトータル17アンダーであり、2位ミニョンと3位との差が6打と大きく離れたものだったのだろう。

ちなみにミニョンが「資生堂 アネッサ レディス」で2位の渋野日向子に4打差をつけていながら、自身はダボ、渋野はバーディとして一気に1打差とされたのも15番。結局プレーオフで負けてしまったのも偶然か、神様のいたずらか。(文・秋田義和)

(撮影:佐々木啓)<ゴルフ情報ALBA.Net>

最終更新:7/22(月) 12:05
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