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AMD Ryzenが高コストパフォーマンスを実現した3つの理由

7/22(月) 11:40配信

@IT

 ご存じの方も多いと思うが、このところAMDのCPUの人気がうなぎ登りだ。直近では、第3世代「Ryzen(ライゼン)」 に注目が集まっている。マイクロアーキテクチャ的には「Zen(ゼン)」アーキテクチャの改良版「Zen2」を採用した機種なのだが、「安い上にIntel製CPUよりも高性能である」と、評価が高い。

【解説写真】マルチチップモジュールによるイールドの向上

 少し前までは、「AMDって何?」みたいな扱いだったのを覚えているだろうか。秋葉原辺りでは、夜の販売開始でショップに人だかりができたというのだから様変わりだ。しかしこの人気、第3世代Ryzenの新発売で突発的に発生したわけでもなく、また日本だけの傾向でもないようだ。

 秋葉原でマザーボードやCPUを買ってPCを組み立てるようなユーザー層(多くは「PCゲーマー」だと筆者は勝手に想像しているのだが)を相手にしたCPUの小売りビジネスでは、第3世代Ryzenを待たずして、シェアでIntel製CPUを逆転していたようだ。

 このままの勢いで市場が動けば、いずれビジネス向けの大手メーカー製PCでもそうなる可能性がある。そうなれば、Intelの屋台骨を揺るがすような事態となろう。これが2018年からのIntelのデリバリー(供給)の問題のみに起因しているのであれば、一種のオウンゴールであり、Intelにすればそれを改善すれば反撃できる話である(Intelの供給不足に関する問題は、頭脳放談「第225回 なぜ『IntelのCPU不足』はなかなか解決されないのか?」参照のこと)。

AMDがIntelより優れている3つの理由

 しかし、状況を見るにそうではないようだ。「コスパ」という最も基本的な点で、IntelはAMDに負けているのだ。そうなった理由を考えよう。月並みな結論だが3つにまとめられるのではないか、と考えている。

 第1は、いろいろ言われている通り、Zen2マイクロアーキテクチャが「性能のよいもの」だった、という素直な称賛だ。

 第2は、製造プロセスだ。Intelに先んじて7nmでCPUコアを作って投入できたことである。製造は、TSMCの7nm+ EUVプロセスで行われているという。これまで、AMDの製造はGLOBALFOUNDRIES(グローバルファンダリーズ)が担当してきたが、同社は7nmプロセスから脱落している(GLOBALFOUNDRIESのプレスリリース「GLOBALFOUNDRIES Reshapes Technology Portfolio to Intensify Focus on Growing Demand for Differentiated Offerings」)。AMDが、製造先をTSMCに変更したのはよい決断だったといえそうだ。

 第3は、マルチダイのパッケージングの採用である。複数個のCPUコアチップと、周辺インタフェースをワンパッケージ化したとのことだ。この辺の理由はAMDの発表通りであるのだが、そこを少しうがって考えてみたい。

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最終更新:7/22(月) 11:40
@IT

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