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枝野氏を根拠なく「核マル派に近い」と指摘した自民「怪文書」

7/22(月) 14:02配信

ニュースソクラ

名誉棄損に当たりかねない、配布した自民にも責任

 自民党が参院選挙用の資料として所属議員に配った『フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識』(terracePRESS)という小冊子。改めて最も気になる箇所は、立憲民主党の枝野幸男代表に関して書いているくだりだ。

 枝野氏はこの文書の最大の標的とみられ、何度も取り上げられているうえ、第一章の最初のコラムからして「立憲民主・枝野代表の無責任を嗤う」だ。

 そのページには枝野氏を貶めるような似顔絵が入っているが、決定的に問題をはらんでいるのは、「枝野氏は核マル派の活動家が浸透しているとされるJR総連などから献金を受けており、核マル派に近いと言われています」と書いていることだ。過激派に近いと名指しされることは政治家としては致命傷ともいえ、「言われています」という受け身の書き方であっても名誉棄損の対象に十分なる内容と言える。

 もちろん、事実とみなせる根拠があるなら、枝野氏は「公人」であるのだからそれを指摘するのは公益性があるので名誉棄損にはならない。だが、このコラムには根拠が記されてはいない。

 枝野氏の核マルシンパ説は実は自民党がかねて何度も問題にしてきた点である。枝野氏が菅内閣の官房長官だった2011年2月には、国会で平沢勝栄衆院議員が質問に立っている。

 平沢氏は核マル派が浸透し主導権を持っていたJR東労組と枝野氏が選挙支援のための覚書を交わしていることを取り上げ、計794万円の政治献金を受け取っていることを指摘している。「JR東労組に核マル派がいたがそれを知っていたか」との平沢氏の質問に枝野氏は「JR東労組とは連合加盟の一単位の範囲内で付き合っている。それぞれの組織の中の構造については知らない」と核マル派との関係は否定している。

 こうした発言があるなかで、自民の配った小冊子が「核マル派に近いと言われている」と記すのはかなりの逸脱といえないだろうか。

 ただ、平沢氏は、さらに核マル派が絡んだJR東労組の「浦和電車区事件」に関して、枝野氏は警察当局に対するヒヤリングで、捜査権の乱用だと追及した事実を持ち出して「これは警察に対する圧力でないのか」と質問している。

 これに対して枝野氏は、平沢氏の持ち出したヒヤリング議事録に関して「詳細な記憶はない。事実関係についてヒヤリングすることはある。圧力にならないよう厳に注意したい」と答えている。

 突然の質問に「記憶がない」と答えてもしかたがないが、議事録だけからすれば、やや歯切れが悪く聞こえる。

 この問題は、扱いを間違えれば蓮舫民主党代表の二重国籍問題のような展開をしかねない。枝野氏も自民の小冊子で取り上げられたのを機に、丁寧な説明をしておくことが、後の禍根を断つことになるように思える。

 いずれにしても、根拠を示さず過激派と親しいとする冊子は異常だ。

 それを配布した自民党は冊子の書き手は誰なのか、だれが冊子をまとめるための資金を支払っているのか、冊子を誰からいくらで買い上げたのか、そして誰が配布するよう指示したのか、を調査して公表すべきだろう。場合によっては貶めた方々に対して謝罪する必要がある内容だと思われる。

 石破衆院議員が「怪文書」と指摘し、安倍首相は読んでいないという文書は、日本の政治のレベルを落としているという意味で、ないがしろにできない内容を含んでいる。

ニュースソクラ編集部

最終更新:7/22(月) 14:02
ニュースソクラ

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