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「吉本芸人は長いクサリにつながれたままだ」 岡本社長の会見では何も解決されていない

7/22(月) 21:14配信

ハフポスト日本版

「契約書を超えた信頼関係が吉本らしさ」

お笑いコンビ「ハリセンボン」の近藤春菜さんも日本テレビ系「スッキリ」の中で、「『吉本興業はどういう考えであなたとこういう風に契約しますよ』ということを私は口頭でも聞いた覚えはないですし、『会社にいくら入ってあなたの取り分はこうです』とか他の問題に関してもない」と発言していた。

吉本の大崎洋会長は紙の契約書を本格的に導入することを度々否定している。毎日新聞のインタビューでは「100年以上の歴史の中で、契約書を超えた信頼関係、所属意識があって、吉本らしさがある」と発言している。

吉本の大崎会長も、岡本社長も、もともとマネジャーなどの立場で、ダウンタウンの松本人志さんを支えて長年苦楽をともにしてきた。松本さんも大崎さんを「アニキ」と呼び、「大崎さんがいなくなったら僕は辞めますね」と発言している。

ハフポスト日本版はこの日の会見で直接、岡本社長に「減俸50%」の根拠や契約のあり方を見直すつもりはないかを聞いたが、明確に答えられなかった。会見では「身内」という言葉が使われるなど、吉本は明確なルールを作るよりも、かつての日本企業のような「家族的な経営」を重んじているのかもしれない。

日本は戦後、「終身雇用」「年功序列」など家族のような「日本型経営」を武器に成長してきた。日々の仕事を長年の信頼関係をもとにまわし、オープンなルールよりも暗黙知を積み上げ、上司や同僚との「貸し借り」を大切にしてきた。労働組合も、欧米で主流の企業をまたぐ労組とくらべて、会社ごとに組織する「企業別労組」が強く、労働者側も経営側も同じ釜の飯を食いながら、一緒になって成長してきた。

ところが、こうした「日本型経営」は戦後の経済成長が終わると、ほころびが目立つようになった。グローバル化などで、経営陣を外部から招き入れたり、転職なども広まったりした。長年の信頼関係より、きちんとしたルールをもとに組織をまわすようになった。激しい競争でリストラが進むと、労使関係もギスギスして、かつての良好な関係を結びにくくなった。働き方改革も進み、社員ひとりひとりの仕事のスタイルも多様化している。

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最終更新:7/22(月) 23:38
ハフポスト日本版

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