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ユース取材ライター陣が推薦するインターハイ注目の11傑vol.3

7/22(月) 20:11配信

ゲキサカ

特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『インターハイ注目の11傑』」

 ゲキサカでは、7月26日に開幕する令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」サッカー競技(沖縄)の注目選手を大特集。「インターハイ注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣にインターハイ注目の11選手を紹介してもらいます。第3回は(株)ジェイ・スポーツで『デイリーサッカーニュース Foot!』を担当する傍ら、東京都中心にユース年代のチーム、選手を取材、そしてゲキサカコラム『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』も連載中の土屋雅史氏による11名です。

土屋雅史氏:「沖縄の暑い夏を彩る可能性を秘めている選手について、ここでいろいろとご紹介できるのは嬉しい限り。最近必ず設けている選考基準は “1チーム1名”と“過去にご紹介したことのない選手”です。強豪が潰し合うブロックができたことで、例年以上にあっと驚く上位進出校が出てくる可能性も。ここに挙げさせてもらった11人はもちろん、1人でも多くの選手が南国の地で一生の思い出を作ってくれたらいいなあと思っています」

以下、土屋氏が注目する11名

GK北村公平(桐光学園高2年)
「悲願の全国制覇を狙う桐光学園の守護神は、決してサイズに恵まれている訳ではないものの、ハイボールも苦にしないジャンプ力と、至近距離からの反応速度の速さなど、GKとしてのパラメータが全体的に高く、確かな安定感が光っている。昨年は入学早々にポジションを掴み、全国総体でも決勝進出に貢献したが、その決勝では後半終了間際に同点弾を、延長で勝ち越し弾を奪われ、あと一歩で戴冠を逃す経験も。あるいは全国で最も日本一を渇望しているGKと言えるのではないだろうか。個人的には小柄ながら躍動感に溢れるプレーと、1年生からゴールマウスを託されている経緯も含め、第87回の高校選手権に出場していた先輩の峯達也(現・TOKYO CITY F.C.、桐光学園高GKコーチ)とその姿がダブって見えることも」

DF佐藤イライジャ(大成高3年)
「昨年度から大成の最終ラインに君臨してきた中、全国の懸かった都予選準決勝は警告累積で出場停止。応援席から声援を送り続け、勝利を得た試合後は涙を流すなど、ピッチ外で仲間の頼もしさを痛感したことで、よりメンタル面の成長が期待される。プレー面で目を惹くのは圧倒的な空中戦の強さだが、『最上級生になった責任もあるので、自分がチームを動かせるように考えています』と全体を統率する意欲も芽生えてきており、やはり2年時からセンターバックでコンビを組む金井渉との連携も、一層向上してきている。アメリカ人の父を持ち、端正な顔立ちに抜群のスタイルを誇りながら、『プレーで注目されるのが一番ですね』と照れるかわいさも」

DF伊藤夕真(日体大柏高3年)
「市立船橋高、流通経済大柏高という県内の絶対的な2強を相次いで撃破し、“千葉の蒼”の新たな歴史を切り開いた日体大柏を率いるキャプテンは、『球際やヘディングはレジスタで、足元はレイソルで教わったので、そのおかげで今があるんじゃないかなと思います』という言葉のように、小学校時代のレジスタFC、中学校時代の柏レイソルU-15を含め、個人としてはこれで小中高とすべての年代で全国を経験することになる“エリート”でもある。一番のストロングは高いフィジカルを生かした粘り強いディフェンスで、小学校から投げているロングスローもチームの大事な武器に。『全国に出るだけじゃなくて、千葉県の恥にならないように、しっかり結果を残して優勝してきます!』と力強く日本一を目指す。

DF山本献(國學院久我山高3年)
「真剣に全国制覇を掲げる國學院久我山の左サイドバックは、『最初は前線の選手が付ける番号なので、自分の中で恥ずかしいなと思っていました(笑)』と口にする11番。もともと中盤の選手ということもあり、好きな選手はトッテナムのエリクセンだと言うが、『彼のキックの精度とか両足を使える所も好きで、ボールの置き方はサイドバックでも参考になるかなと思っています』と話した通り、チャンスメイクにもゲームメイクにも顔を出す現代的なサイドバックの要素を十二分に満たしている。なお、名前の“ささぐ”は『自分のやりたいことに一生を“ささげて”欲しいという意味』とのこと。『自分の場合はそれがサッカーですね』と話す笑顔も爽やかなナイスガイです」

MF堤奏一郎(関西大一高3年)
「レアル・マドリーのアザールを参考にしているという関大一の10番は、言うまでもなくドリブル大好きっ子。『まずボールを持ったら自分で仕掛けることを意識していて、1対1だったら大阪で負けない自信があります』『僕の得意なシザースが決まれば、抜けない相手は今の所いないですね』と強気な言葉を発しながら、それが嫌味に聞こえない性格も持ち合わせている。中学時代にも千里丘FCで2度全国に出場するなど、豊富な経験値もチームに還元できる大事なポイント。『ここまで苦しい想いばっかりしてきたので、しっかり全国で自分のプレーを見せたいです』というエースのキレが、13年ぶりに全国を戦うチームの浮沈を握っている。

MF小池陸斗(尚志高3年)
「鹿島アントラーズ入団が内定している染野唯月に注目が集まる中、プレミアEASTに挑戦している尚志の中盤を取り仕切るのが、この7番を背負うレフティ。『セットプレーのキッカーも任されていますし、左足のキックには結構自信があります』と言い切る通り、チームが創出するチャンスにセットプレーでもインプレーでも、この男が関わる回数は非常に多い。リーグ開幕戦は絶好の位置でのFKがあったものの、『最初はカベの話とかして「どっち狙う?」とか言っていたんですけど、アイツが決める気満々だったので』譲ったFKを染野が直接ゴールに沈める一幕も。ただ、『僕も決める自信はありました』と付け加えるあたりのメンタルも頼もしい」

MF小川拓馬(松本国際高3年)
「チームを率いる勝沢勝監督も『ボールをどう動かして、攻撃するかを考えて実行していける選手』と評する、ボランチの位置で確実にボールを収めながら、様々な選手へ配球していくバランス感覚に秀でたプレーメーカー。中長距離のキック精度も正確で、昨年末の横山杯ではセットプレーから数多くのチャンスを演出。先日はU-17北信越選抜のトレーニングキャンプにも選出され、U-17日本代表との実戦を経験し、全国大会に向けてより高いレベルを体感してきている。5月の地区総体決勝で負けた後、『試合中に1番みんなに言える選手というのが決めた理由だそうです』と指揮官が教えてくれたように、選手同士の話し合いで小川が正式にキャプテンへ就任した経緯もあり、チームメイトからの信頼も厚い」

MF中村陽紀(阪南大高3年)
「『もともと細かったので、去年ずっと筋トレをやっとったらこんなになりました(笑)』という体格は、やや大げさに言えば去年の1.5倍ぐらいの逞しさ。正確なキック精度には定評があった中で、今では競り合いにも強さを発揮。『球際がもともと弱かったので、そこが自分の得意な所になったかなと思います』とプレーの幅を大きく広げている。とはいえ、やはり一番の特徴は豊富なキックの種類。『できるだけ受け手の足元に、低くてスピードを落とさない感じで蹴ろうとは思っています』と表現したパスは長短を高次元に蹴り分けられるレベルにあり、タレントの揃う阪南大高の攻撃を中盤で司る。ちなみに13番は中学1年から付けているラッキーナンバー」

MF倉俣健(前橋育英高3年)
「『高校サッカーをやってきて、たぶん一番いいシュートだったと思います』という一撃は、上州のタイガー軍団を全国に導いた県予選ファイナルでの決勝弾。後半終了間際に得意の左足を振り抜いて、貴重なゴールを奪ってみせた。自ら『スピードを生かしたドリブル突破が一番の武器なので、そこは絶対に誰にも負けたくない』と言い切るように、スピードと足技を組み合わせたドリブルは間違いなく全国レベル。山田耕介監督も『相手がわかっていても行けちゃうような雰囲気になりましたよね』と高評価を与えている。サッカー部の主力としては珍しく、特進コースで学んでおり、長い取材対応にも誠実に答え続ける人間性も素晴らしいが、キャプテンの渡邉綾平曰く『倉俣と山田涼太がチームでもぶっちぎりで騒がしい』そうです(笑)」

FW崎山友太(米子北高2年)
「諒一が第91回と第92回。誉斗が第94回と第95回。2人の兄は共に米子北で2度に渡って冬の全国を経験しながら、ゴールを奪うことができなかったが、崎山家3人目の刺客として1年生ながら昨年度の第97回大会にレギュラーで出場した友太は、初戦の国士舘高戦でチームを勝利に導く決勝ゴールをマーク。崎山家悲願の“選手権でのゴール”を堂々と達成してみせた。1年時の全国総体では右サイドバックを務めており、以降もフォワードを主戦場に置きながら複数ポジションをこなせるクレバーさと、思い切りの良さがチームにアクセントを加えている印象がある。なお、好きなアーティストはONE OK ROCK。中学時代にはライブにも行ったことがあり、『『The Beginning』や『Be the light』とかよく聞いてます』とも」

FW田中翔太(青森山田高3年)
「『技術面は全然ないので、泥臭さでやっていこうと決めている』と語った“不思議とそこにいる”系のストライカーは、ここまでプレミアEASTで5ゴールを挙げ、リーグ首位を快走する青森山田で武田英寿に続く得点数を記録。最近は途中出場が多くなっているものの、ピッチに立てば常にゴールの匂いを嗅ぎ付ける雰囲気を漂わせている。参考にしているのはバイエルンのレヴァンドフスキ。サイドでの仕掛けも多いチームの中で、クロスからの決定力を学んでいるという。昨年のスーパーサブだった小松慧(現・常葉大)との共通点を問われ、『あそこまで熱い男じゃないんですけど、小松さんみたいな姿勢はチームの助けになると思います』と気遣いのできる一面も(笑)」

■執筆者紹介:
土屋雅史
「(株)ジェイ・スポーツに勤務。Jリーグ中継担当プロディーサーを経て、『デイリーサッカーニュース Foot!』を担当。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。ゲキサカでコラム、『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』を連載中。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。」

最終更新:8/6(火) 21:14
ゲキサカ

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