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私たちのウンチがサンゴ礁を死滅させている…

7/23(火) 8:11配信

ギズモード・ジャパン

もう「関係ない」なんて言えません。

世界中の海でサンゴが白化現象にむしばまれているのは、おもに気候変動で海水の温度が上がったせいだと思われてきました。しかし、ほかにももっと切実な原因があったのです。それは人間が排出、または排泄したモノ。

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プラスチックゴミもダメですが、下水、農業用の肥料流出、土壌の流出などはもっとダメ。これらが海にたれ流しにされると、海水中の窒素が増えすぎてサンゴの白化につながってしまう…こんな研究結果がこのたび学術誌『Marine Biology』に発表されました。

陸上で営まれる人間の活動がダイレクトに海の生物に悪影響を及ぼしている。すべてはつながっているんです。哀しいかな、私たちのウンチとサンゴも。

サンゴがあきらかに減っている

研究によれば、フロリダ・アトランティック大学の教授、Brian Lapointeさん率いる研究チームは、1984年から2014年まで30年間にわたってアメリカ・フロリダ州にあるルー・キー珊瑚礁を観察し続け、その変化を細かくデータ化しました。

海水に含まれる窒素・リンなどの栄養素の量、これら栄養素が生態系に及ぼす影響のバロメーターともなる海藻の量、そして海水の温度を測定しました。さらに衛星写真でルー・キー珊瑚礁をとりまく地形を調べて河川がどのように海に注ぎこんでいるかを分析し、実際海に潜ってサンゴ礁の姿を記録しました。

わかったことは、ルー・キー珊瑚礁の生きているサンゴが全体の33%だった30年前と比べて、2008年には6%以下に減少。サンゴ白化現象が進み、どんどん減ってきている現実が浮き彫りになりました。

こちらはLapointe教授が撮影したルー・キー珊瑚礁のうつりゆく姿です。1988年には魚の大群がいきいきとサンゴの森を泳ぎまわっていますが、時間が経つとともにあきらかな変化が…。

雨と海との関係

サンゴが減った原因についても興味深い発見がありました。海水の温度の上昇よりも海の栄養素汚染のほうがよっぽどサンゴの白化や弱体化に影響しているとわかったのです。

測定が行なわれた30年のあいだに、サンゴの白化がいちじるしく進んだ事例が3度観測されました。その3度とも、海の栄養素汚染がひどくなった直後に起きたものでした。

ことに、1985年から1987年にかけて、そして1996年から1999年にかけての甚大なサンゴ白化現象は、いずれもフロリダのエバーグレイド国立公園で大雨を記録した直後だったとのこと。河川や湿地から大量の雨水とともに下水・農業用の肥料・土壌などが海に流出した結果、ルー・キー珊瑚礁の周辺で海水の塩分濃度が低下して栄養素過多になってしまったと考えられるそうです。

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最終更新:7/23(火) 8:11
ギズモード・ジャパン

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