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投資5年31歳で資産6億円を築いた元勤務医のスゴ腕<前編>

7/23(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【金儲けは達人に聞け!】医師・中村康宏さん(前編)

 人もうらやむ花形職業「医師」。しかも勤務先は「虎の門病院」という一流の総合病院だ。行く末は教授、はたまた院長か? しかし、出世の道を自ら外れて、単身アメリカ・ニューヨークへ。最新の予防医学を学ぶためだ。そして帰国後は都心の一等地に30歳で開業。これだけ聞くと、「はは~ん、どこぞの大きな開業医か資産家のおぼっちゃまだな」と勘繰ってしまうが、「いえいえ。両親ともに公務員。医者とは全く無縁の家庭で育ちました。留学費用も開業資金も、医者として勤務、勉強を続けながら自ら投資などでつくりました」。

 現在の総資産はなんと6億円。それを、わずか31歳で達成したというから驚くではないか。

 しかし、なぜ一流病院での職を捨て、留学の道を選んだのか? 地道に働いていれば6億円くらい生涯に稼げそうな気もするが――。

「確かに、医師は花形職業だといわれます。一般的なサラリーマンより収入も多いでしょうが、果たして、この先もそうなのか? ただ医師として働いているだけでやりがいのある人生を送れるのか? 勤務医として働いているうちに、疑問を持つようになったのです」

 疑問を抱いた理由その1は「自分自身の能力」。一流病院ゆえに働いている医師も一流ばかりで、同期も全国の医大の首席がずらりそろう。「そんな人たちと勝負して勝てるのか?」と単純に思ったのだ。

 その2は「医師の寿命」。例えば外科医の場合、スーパードクターと呼ばれても、手が動かなくなってオペができなくなったらおしまいだ。だからこそ比較的“食いっぱぐれ”の少ない内科医、しかも病院治療の4割を占める消化器の専門医を選んだが、それでもリスクは高いと感じた。

「いま、私ぐらいの年齢の消化器内科医は、内視鏡のトレーニングに励んでいる頃だと思いますが、そうした技術はいつか機械に取って代わられます。すでに自動で勝手に腸を分け入って進んでいく内視鏡がありますし、腸壁の写真から9割以上の確率でがんを判定できるほどAIも進化しています。そういう状況で、医師として一つの専門分野を磨き続けることはリスクが高すぎると思いました」

 その3は「日本の医療制度」の問題。国民皆保険の日本では、保険診療の報酬は国が定める保険点数に応じて支払われるのは周知の通り。現在は1点10円だが「もし9・8円になったら、それだけで2%の売り上げ減です。しかも医師は増えているのに少子化などで保険診療のパイは今後減っていく。会社でいえば、これから収益が下がると予想されているのに従業員をたくさん抱えているような状態。沈みつつある船の中で、教授やスーパードクターを目指しても無駄だと思ったんです」。

 泥舟から逃げるためには、海外に出るか保険診療でカバーされない分野を選ぶしかない。中村氏はその両方を取った。28歳の時にアメリカの医師免許を取得し、最新の予防医学を学ぶためアメリカ・ニューヨークへ渡ったのだ。

「予防医学を選んだのは、日本での内科医の経験からです。どんなに医者が一生懸命治療しても、退院するやいなや酒やたばこを我慢できず、血を吐いて再び戻ってくるような患者さんをたくさん見てきました。それをまた治療しても結局はイタチごっこ。医療費がかさむだけです。むしろ患者のリテラシーを上げ、病気そのものを予防する方が重要ではないか、それを自分の強みにできるんじゃないかと考えたのです」

 留学を決意したのは27歳の時。当時の日本には、予防医学を学べる場所がなかった。そこで予防医学の本場アメリカへ――となったわけだが、やはり先立つものは“金”である。留学資金をポンと出してくれるような裕福な家庭ではないし、しかるべきところから奨学金をもらう手もあったが、「奨学金を取れるほど優秀な医師はほんの一握り。しかももらえるのは500万円程度。授業料だけで消えてしまいます。そもそも周りの秀才たちに奨学金獲得レースで勝てる自信もありませんでした」。

 周りの医師からは“働いてお金が貯まったら行けばいい”と言われたが、

「それは機会損失。もはや自分で費用を稼ぐほかに選択肢はありませんでした」。

 その手段として中村さんが選んだのが投資だ。それも、病院の当直の空き時間などを利用して多いときは1日に10冊も投資関係の本を読み漁り、休日にはセミナーなどにも参加して勉強した結果、「短期間で結果を出すには規模が大事。それには不動産だ」との考えに至った。そして、わずか1年余りで留学資金を捻出。現在は資産6億円を持つまでに成功したが、その船出は順風満帆ではなかった――。

(聞き手=いからしひろき)

▽なかむら・やすひろ 京都府出身。関西医科大学卒業後、虎の門病院に入職。内科医・消化器内科医としての勤務を経て、最新の予防医学を学ぶためアメリカへ留学。そのための費用、また帰国後に開業した日本初のアメリカ抗加齢学会登録施設「虎の門中村康宏クリニック」の資金は、すべて不動産投資などでまかなった。現在の保有資産は6億円。著書に「HEALTH LITERACY」(主婦の友社)がある。

最終更新:7/23(火) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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