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12勝で合格では限界…横綱白鵬が計る「引退」のタイミング

7/23(火) 12:00配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 東京五輪まで持たないかもしれない。

 横綱鶴竜(33)の6度目Vで幕を閉じた大相撲7月場所。22日の優勝一夜明け会見では、「最高の気分」と満面の笑み。さらに「日々、成長をしたいという気持ちは変わらない」と、決意も新たにした。

 一方、後輩の後塵を拝したのが白鵬(34)だ。14日目を終えた時点で2敗。千秋楽で1敗の鶴竜に勝てば優勝決定戦に持ち込めたものの、がっぷり四つに組みながら寄り切られた。

 12勝3敗は横綱としては申し分ない成績とはいえ、無敵を誇った白鵬にしては物足りない数字。そこで気になるのが、決まり手だ。白鵬がもっとも得意としているのは寄り切り。全盛期は年に30番前後、この手で勝ったことがある。それが今場所はたったの2番。12勝中、1勝は不戦勝として、残り9番は引き技や投げ技で、盤石の寄りは影を潜めている。

 相撲評論家の中澤潔氏は「大関戦がなかったからでしょう」と、こう続ける。

「白鵬は相手が手ごわいと判断した場合、慎重に組んだ上で相撲を取る。それが、今場所は大関とは一回も当たらなかった。先場所で大ケガを負った貴景勝は仕方ないとしても、残る3人は全員、場所中に離脱している。昔は場所中のケガは恥と言われたもの。つまるところ、稽古不足です。普段の稽古をしっかりやっていないから、いい加減な相撲を取って負傷してしまう。白鵬は今場所、9番が平幕相手。そこまで警戒する相手もいなかったのではないか。もちろん、白鵬が衰えているのは事実です」

■四つ相撲にもキレがなく…

 相撲の王道ともいわれる四つは、押し相撲以上にパワーと体力が要求される。立ち合いから速攻で寄り切るならともかく、相手に粘られたらじわじわと体力を消耗する。白鵬の星取表を見ると、近年は中日の折り返しあたりから、寄り切りが増える傾向にある。つまり、強敵相手の後半戦のため、序盤は体力の消耗を抑えているのだろう。

「ただ、その四つ相撲も以前ほどのキレはない。顕著だったのが14日目の琴奨菊戦です。白鵬は立ち合いで右を固めて相手の左差しを封じようとするも、巻き替えでバタついて左を差されてしまい、前みつまで与えてしまった。こうなると琴奨菊得意のがぶりの型。白鵬は何とか右上手を探るも届かずに寄り切られた。優勝がかかっていたので慎重に四つ相撲で仕留めようと思ったのだろうが、勘も鈍っているのかもしれない。先場所負傷した右腕のケガの影響? とっくに完治してるでしょ。その右腕で妙義龍の頭を引っかけるようなダメ押しをしているんだから、影響なんてあるはずがない」(ある親方)

 スピードを生かした相撲では他の力士の追随を許さないとはいえ、それだけで今後も勝てるかは疑問。1場所休んでは優勝し、また次の場所を休場……というパターンも今場所で崩れた。このままでは、じり貧だろう。

 もっとも、白鵬にすれば必ずしも、長く相撲を取る必要はなくなった。今年4月にはモンゴル当局が国籍離脱を認めたと報道された。帰化にかかる期間は、申請からおよそ半年から1年。白鵬は10年以上日本に住み、大相撲で活躍。さらに日本人女性と結婚もしている。こうした事情から、申請手続きはスムーズになるともっぱら。早ければ、年内にも帰化できるだろう。日本国籍がなければ親方株を取得できない。つまり日本国籍を持つまでは嫌でも現役に固執するしかなかったが、その縛りが解けるのも時間の問題。以前ほどモチベーションが保てなくなったとしても不思議じゃない。

■五輪の土俵入りはあくまで願望

「本人は『東京五輪の開会式で土俵入りをしたい』と話しているようだが、それはあくまで白鵬の願望。開会セレモニーの土俵入りなんて、やるかどうかも決まっていない。協会には組織委員会から、話すら来ていないと聞いている。白鵬は2017年の日馬富士暴行事件からというもの、万歳三唱、三本締めなど、協会に呼び出されては注意をされている。揚げ句、協会幹部から『オマエの優勝記録なんて、ただの数字に過ぎない』と面罵されたそうじゃないですか。それでいて、反省の色はゼロ。むしろ、『自分が不当におとしめられている』くらい思っているでしょうね。その上、五輪での土俵入りも消滅なら、国籍を取得した時点で『現役に未練なし』とケツをまくってもおかしくない。その時が来れば、さっさと引退するのではないか」(前出の親方)

 22日の横綱審議委員会では、矢野委員長に「あの辺が限界だったのでは。合格でしょう」と、“温かく”評価された白鵬。12勝で合格点をもらうようになっては、白鵬もオシマイだ。

最終更新:7/23(火) 12:00
日刊ゲンダイDIGITAL

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