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“テック×農業”で都市化に対応。世界注目の未来型植物工場が持つ「農民2500万人消失」の危機感

7/23(火) 8:00配信

ハフポスト日本版

「人口大移動」に対応せよ

アレスカは、北京で使われなくなった地下駐車場で野菜の生産を始めるなど、現場の特性に合わせた栽培を進めている。

こうした熟練の技術を必要とせず、省エネ・省スペース・高栄養価な「未来型農業」は、これまで続けられてきた伝統的な農業の居場所を奪うことはないのだろうか。

小田さんの考えはむしろ逆だ。伝統的な農業の担い手が急速に減っていくため、植物工場の開発や普及を急ぐべきだと考えている。

日本でもその傾向は著しい。農林水産省によると、農家戸数は昭和25年をピークに減少を続けている。農業に従事する人は、2010年からおよそ100万人も減っている。

世界に目を向けるとさらに深刻だ。代表例のひとつと言えるのが中国だ。

中国は農村部の人口を、中小都市に移住させる「都市化」計画を進めていて、住む場所を離れる人の数は2億5000万人という推計もある。

小田CEO:
中国の場合だと、(一部推計で)2億5000万人が都市に移っている最中なんです。それを考えると、そのうち10%でも直接的に農業に関わっていた場合、2500万人の農民がいなくなると同等なんですよね。
他の業界は何万人パイロットが足りなくなるとか、ソフトウェアエンジニアが不足するというのがよく報道ベースで言われるんですけど、2500万人の農民がいなくなる。規模が違うんです。
膨大な農民=食べ物を生産する方々が、亡くなるとかではなくて都市に移るだけで、自然と食が消えていく。残されている農家の効率性を10倍とか100倍にしないといけないんですね。
それを考えた時に自動化、ATデータやIoTセンサー、宇宙衛星からの分析写真やビッグデータ、マシナリー...全ての最新技術が必要とされている業界は農業の他にないと思うんですよね、個人的には。

小田さんたちが取り組む新興国への栄養価の提供。その先には、地球の規模を超えた計画を夢見ている。

小田CEO:
いずれかは(新興国も)電気代が非常に安くなってくると思うんです。本当に10年20年...何十年かかるかわからないんですが、電気代が安くなるとカロリーが大量生産できるようになるんです。
それは例えばLEDを使わないでレーザーを使うとか、レーザーを使わないでファイバー・オプティクスを使うとか、他の技術を使うことで電気代を非常に下げることが可能になるので、栄養だけでなくバランスのとれたカロリーも生産できるようになれば企業のバリューが高くなると思います。
最終的な目標だと、火星で野菜を生産するとか、月で野菜を生産するとか、です。
人間が地球上から月や火星に行く時、野菜とか食べ物を地球から打ち上げるのは、1キロ単位で何億円とかかるので、不可能ではないでしょうか。
そのため、植物工場や室内農業は本当に長期的に考えて、宇宙に関わり始めてくるので、凄くエキサイティングなスペースでもあります。

Fumiya Takahashi/Huffpost Japan

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最終更新:7/23(火) 8:00
ハフポスト日本版

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