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極厚家は“生姜焼き観”を覆す

7/23(火) 10:00配信

メシ通

高田馬場の商店街「さかえ通り」を抜け、住宅街の小径を歩く。
そこに見つけた「極厚家(ごくあつや)」の文字。ここは2019年5月にオープンしたばかりの“生姜焼き”専門店だ。
が、「極厚家」の生姜焼きは、生姜焼きにして生姜焼きにあらず。オーダー後まもなく運ばれるのは、店名の名に恥じない厚みを誇る豚の1枚肉であり、いざ箸を入れれば、その柔らかさ、そして肉の断面に現れる鮮やかなピンクの発色に、目を疑う。
熟成肉ブームの“牛”ならともかく、“豚”でこのレア感って大丈夫なの?
あなたの“生姜焼き観”を(食べる前から)転覆させる、異形の逸品一本勝負! 店長の石井しおりさん、オーナーの高野和典さんに話を聞いてきた。

百食限定のステーキ丼専門店

米に溶けゆく肉の旨さ! まずは定食と対面

石井さん:今日はよろしくお願いします。うまくしゃべれるかわかりませんが頑張ります!

高野さん:お腹ってすいてますか? 
僕らもこれからまかないなので、まずは定食をお出ししましょうか。

「極厚家」の生姜焼きは、ブライニング(塩水漬け)と低温調理による、まったく新しい味と食感を打ち出したもの。豚肉にも関わらずその断面はピンクに輝き、色気すら感じさせる。この独創的な調理方法のことは後でじっくり紹介させていただくとして、まずは“グラビア”を見てもらおう。

どうだろうか、この美しさは。食欲をそそる褐色の肌と、照れたような内面のイノセンス。
「しょうがごはん」といっしょに頬張れば、サラリとほぐれる肉の旨さ、未知の食体験に箸が止まらない!

石井さん:部位によってはここまでの赤みが残らないお肉もあるんですけど、今日のはすごくきれいに出ています。

高野さん:この色と食感は低温調理ならではのものです。僕らはこの味を出すために、丸々24時間をかけています。

石井さん:お肉はヨーロッパからの輸入豚を厳選して使っています。味の研究をしているときに、国産のブランド豚も食べ比べてみたんですけど、うちの調理法ではそこまで大きな差が出なかったんですね。だったらそのぶん値段を抑えて、“新しいファストフード”のようなものにできればと思って。

高野さん:牛丼屋さんの“プレミアム牛丼”とかハンバーガーチェーンの“ちょっとだけ高級なセット”に並ぶものとして、うちの定食や丼があってもいいと思うんです。

“ファストフード”と括るには非凡すぎる「極厚家」の味だが、米の粒にしっとりと溶け合う柔らかな肉をかき込む快感、そして、ここまでの料理が着席後2分程度で運ばれるという部分では、おふたりの言葉も間違ってはいない。

石井さん:ランチタイムの時間って、どんなお客さんにも貴重なものだと思うんです。うちの場合はすでに低温調理されているお肉に温かなソースをかけてお出しするだけなので、お店を出た後に、ゆっくりコーヒーを飲んでいただく時間もあると思います。

高野さん:僕が店に立てないワンオペの日も、そこまでお客さんをお待たせすることはないですね。

石井さん:そのぶん仕込みは本当に大変なんですけどね……。

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最終更新:7/23(火) 10:17
メシ通

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