ここから本文です

京アニの事件に心痛め…らき☆すたの舞台、久喜の神社で祈り 「何年でも待ちます」ファンら絵馬奉納

7/23(火) 8:24配信

埼玉新聞

 「少しでも救われますように」「何年でも待ちます」―。アニメ制作会社「京都アニメーション」(本社・京都府宇治市)のスタジオを狙った放火殺人事件を受け、同社が手掛けた人気アニメ「らき☆すた」の舞台地となった埼玉県久喜市鷲宮の鷲宮神社には週末、絵馬を奉納するファンが相次いだ。事件の凄惨さに心を痛め、被害に遭った人々の冥福と無事を祈る声がアニメの聖地から広がっている。

ショック、声も出ない…らき☆すた聖地・鷲宮神社の大鳥居が倒壊 100年前に建立 鳥居の根元にハチの巣

■アニメの聖地から祈る声「1日でも早く快復を」

 「多くの作品を見て、笑ったり涙したりしました。どうか、クリエイターとスタッフの方々が、1日でも早く快復されますように」。21日午後、久喜市鷲宮の鷲宮神社。夏祭りの準備に慌しい境内で、さいたま市桜区から訪れた男性会社員(28)はそっと絵馬を奉納した。

 初めて見たアニメが「らき☆すた」だった。日常を魅力的に描く京アニの作品が好きで、つらい現実に直面するたび、キャラクターの頑張る姿に励まされた。大学と大学院に通っていた6年間を京都で生活。京アニの本社や襲撃されたスタジオも訪れていただけに、「まさかこんな事件が起きるとは思わなかった。今でもやり切れない」と唇をかみ締める。

 らき☆すた好きが高じて今年3月、札幌市から転居した久喜市の会社員西野晴葵(はるき)さん(19)も京アニを訪れた経験がある。高校生の時、「大好きなアニメを作った会社を見てみたい」と思い立ち、住宅街の小さな建物の中で数々の名作が生み出されている事実に感動を覚えた。

 事件には「怒りを通り越し、複雑な気持ち」を抱き、入院している青葉真司容疑者(41)に対し「身勝手な理由で34人もの命を奪った行為は絶対に許せない。一生かけて罪を償ってほしい」と憤る。

 「その人にしか描けない絵がもう見られなくなると思うと、同じ絵描きとして悲しくてたまらない」。久喜市でも活動するさいたま市大宮区のイラストレーター男性(25)は、犠牲となった制作スタッフの無念さを想像する。アニメ業界を担う優秀な人材が失われ、所蔵する資料も焼失した。

 京アニの作品はキャラクターの表情や動作のほか、細かい背景描写にも定評がある。実在する風景を忠実に再現し、らき☆すたをはじめ、「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」「けいおん!」などで、ファンが舞台地を訪れる「聖地巡礼」ブームに一役買った。各地でアニメのまちおこしが起こり、ファンと地元住民の交流が進んだ。

 アニメ放映の2007年から、らき☆すたの舞台地を紹介する同人誌を24冊発行している山梨県富士吉田市の大学講師刑部慶太郎さん(40)は「作品と現実、ファンと地域をつなげてくれた」と京アニに感謝し、「今はどうしていいか分からないが、落ち着いたら好きな作品を楽しんだり、できる範囲で応援していきたい」と話した。

最終更新:7/23(火) 11:25
埼玉新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事