ここから本文です

次世代蓄電池の大本命?リチウム硫黄電池がついに実用化

7/23(火) 20:20配信

LIMO

本記事の3つのポイントの見出し

 ・ 次世代蓄電池として、リチウム硫黄電池に注目が集まっている。低コスト・高いエネルギー密度が魅力
 ・ 一方、最大の課題がサイクル回数。携帯電話やEVで採用は現状では難しく、用途が限られる
 ・ 英オックスフォードに本拠を構えるOXIS Energyなどが工場建設を進めるなど、実用化に向けた動きが活発化
 ・
 現行のリチウムイオン電池(LiB)を代替する様々な種類の次世代蓄電池の研究開発が進められており、一部はすでに製品化されている。このなかで、大きな期待を集めているのがリチウム硫黄電池(LiSB)だ。低コスト化、それにLiB以上の高エネルギー密度化が実現できるからだ。OXIS Energy(英オックスフォードシャイア)のように生産計画を進めているメーカーもある。最大の課題である少ないサイクル回数さえクリアされれば、実用化に拍車がかかる可能性が高い。

主要蓄電池の性能比較一覧表を見る

 次世代蓄電池の最有力候補が全固体電池(半導体系、高分子系、LiB系など)で、スマートフォン、掃除機、電気自動車(EV)などで搭載されている。2019年中にはノートPCへの導入もスタートする見込みだ。他方、ナトリウムイオン電池も電動バイク、電動自転車、EVなどに搭載されている。

 調査会社の㈱富士経済(東京都中央区)によると、17年における次世代蓄電池市場は21億円だが、35年には17年比1334.6倍の2兆8026億円に拡大すると予測している。

 LiSBは、正極活物質に硫黄、負極にリチウム金属を採用した蓄電池だ。充放電は硫黄とリチウムの酸化還元反応で行われる。具体的には、放電時は負極でリチウムが酸化・溶解し、正極で硫黄が段階的に還元され、反応中間体である複数種の多硫化リチウム(リチウムポリスルフィド)を経て硫化リチウムに還元される。一方、充電時は、負極でリチウムイオンがリチウム金属に還元・析出し、正極で硫化リチウムが硫黄へ酸化される。

 電解質としては、LiB同様に有機溶媒を用いた電解液をはじめ、固体電解質やイオン液体などが検討されている。

 国内では国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)の産官学プロジェクト「先端的低炭素化技術開発 次世代蓄電池(ALCA-SPRINGS)」で研究開発が活発に行われている。具体的には、電解液を使ったタイプを「正極不溶型リチウム―硫黄電池チーム」(チームリーダーは横浜国立大学 教授の渡邉正義氏)、固体電解質やイオン液体を「全固体電池チーム」(同大阪府立大学 学長の辰巳砂昌弘氏)で実施している。

1/3ページ

最終更新:7/23(火) 22:00
LIMO

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

あわせて読みたい