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なぜ破産を検討中と報じられたのか? マンハッタンのバーニーズ・ニューヨークの旗艦店に行ってみた

7/24(水) 4:31配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

アメリカの高級百貨店「バーニーズ・ニューヨーク(Barneys New York)」は、破産法の適用申請を含め、再建計画を検討していると報じられた。

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マンハッタンの店舗について、同社は3月、規模を縮小する計画はないと否定したが、関係者はロイターに対し、店が苦戦している理由として、賃料の高さと顧客ベースの変化を挙げた。

Business Insiderは、バーニーズがなぜ再建の道を模索しているのか探るため、マンハッタンの旗艦店を訪ねた。

"破産"は靴やファストファッションの店だけの話ではない ── 高級品を扱う小売店の問題でもある。

アメリカの高級百貨店「バーニーズ・ニューヨーク」は、破産法の適用を申請する可能性があると報じられている。

バーニーズは、ボストンやビバリーヒルズなど、アメリカ国内で28店舗を展開。

ニューヨーク・タイムズの7月18日の報道によると、このうちマンハッタンのマディソン・アベニューにある旗艦店が、同社の売り上げの約3分の1を占めている。だが、広さ27万5000平方フィート(約2万6000平方メートル)の店舗の年間賃料は1600万ドル(約17億円)から3000万ドルに値上がりしたと言われ、店を維持することが難しくなっている。

同社の広報担当者はBusiness Insiderに対し、「バーニーズ・ニューヨークでは、わたしたちの顧客が最優先であることに変わりはなく、顧客が期待する優れたサービス、商品、体験を提供することに全力を注いでいる。わたしたちは、全てのビジネス・パートナーとともに設定したゴールに到達し、価値を最大化するため、緊密に連携し続ける。そのためにも、取締役会および経営層はバランスシートを強化し、持続可能性、長期的な成長、ビジネスの成功を確実にするための機会を積極的に検討している」と語った。

バーニーズはなぜ苦しんでいるのか? Business Insiderはマディソン・アベニューの旗艦店を訪ねた。

ニューヨークのマディソン・アベニューにあるバーニーズの旗艦店がこちら。



ビルは9階建て。高貴な雰囲気が外にまで漂ってくる。



中に入ると、高級百貨店のみが生み出せる魔法の世界に包まれた。温かな雰囲気の照明、甘い香り、心地よい音楽が巨大な店を生き生きとさせている。

1階は紳士服売り場だ。アクセサリーやデザイナーのハンドバッグもある。シャツから……



……靴下まで何でも揃う。中には1足85ドル(約9200円)の靴下も。

ガラスケースに入った商品も売り場のあちこちにあった(他のフロアも同様)。これは、店を"買い物をする場所"というより、博物館や美術館のように見せていた。



木とガラスでできた階段を降りると、化粧品売り場だ。



いたって普通。

フロアを移動して、婦人服売り場へ。これが今回の訪問で一番印象的だった。

ほぼ全ての売り場が、広々としたスペースに服のかけられたラックがわずかにあるのみだった。あちこちに店員がいて、客が来るとすぐに寄っていく。

だが、全体的にはそれほどのスタッフが必要とは思えないほど、店はすいていた。



服の数は、ほとんどの場所で少なかった。それぞれのデザイナーのラックに、少量のアイテムが置かれている。



フロアの多くにゆったりとしたラグジュアリーなシッティング・エリアがある。かなりのスペースを占めているため、マディソン・アベニューの地価の高さを考えると、無駄遣いにも思える。



価格もそれなりだ。クロエ(Chloé)の花柄のセーターは約1500ドル。



この赤いドレスは約600ドルだ。



だが、創造性という意味では文句のつけようがない。このタイヤを使った椅子の売り場は、まるで美術館の展示のようだ。



バーニーズ・ニューヨーク限定の「ゴス・クロックス」もあった。中には90ドル近くするものも。



Source:

Business Insider


別のフロアには、唇の形をしたトゲトゲのラブシートがあった。



下着売り場の近くには、ガラスケースに入ったゴールドの手錠も。



靴売り場はものすごく広い。目を奪われるようなクールなデザイナー・スニーカーもある。



バーニーズの服はおもしろい。写真にあるメタリックなダウンジャケットは、"レトロ"と"シック"のバランスが絶妙だ。



どんなシーンにも合う服が必ず見つかる。ファーのコートやショール……



……水着もある。



エスカレーターで9階まで上がっていくと、いかにこの店が広いかが分かる。店内にはカフェもある。



最上階は、飛びぬけて一風変わっている。家庭用品やアート、子ども向けのアイテムが並ぶフロアだ。



壁一面に、ブライダル・レジストリ(編集注:結婚予定のカップルが店に登録した、結婚祝いとして欲しい品物のリスト)用の食器類が並んでいる。



わたしたちが目にした多くのアイテムが、どう使っていいかよく分からないが、見ていておもしろかった。

このコーナーは、店のどこよりも美術館のような雰囲気だった。



世界的なフォトグラファー、アニー・リーボヴィッツのサイン入り限定写真集まであった。写真集と三脚のセットは3000ドル。



最上階まで見終わって店の外に出ると、違う街からやってきたかのような気分になった。だが、すぐに小売業の厳しい現実に引き戻された。



通りを歩いていると、マディソン・アベニューはかつてのようなにぎやかなショッピングの街でないことに気付かされる。



最近ではカルバン・クライン(Calvin Klein)やジョナサン アドラー(Jonathan Adler)といったデザイナー・ブランドが、マディソン・アベニューにあった旗艦店をクローズし、空き店舗が目立つようになった。賃料が上がるなら、バーニーズが破産を含め、全ての選択肢を検討するのは当然だろう。

Source:

Architectural Digest


バーニーズの旗艦店を訪れた結果、貴重な店内のスペースをシッティング・エリアや空っぽに近いラックで無駄にしていることが分かった。報道されている通り、その賃料が2倍近くになるなら、バーニーズは周辺の多くの小売店と同じような状況になり得るだろう。



Source:

Associated Press


[原文:We went to Barneys' Manhattan flagship to see why it's the latest department store to reportedly consider bankruptcy]

(翻訳、編集:山口佳美)

Shoshy Ciment

最終更新:7/24(水) 4:31
BUSINESS INSIDER JAPAN

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