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売上5倍! 経営難に陥っていたキャンプ場を、どうやって再生させたのか

7/24(水) 7:11配信

ITmedia ビジネスオンライン

 「ドイさん、オススメのキャンプ場を知っていますか?」――。ここ数年、こうした質問をされる機会が増えてきた。記者はキャンプに詳しくなく、専門家でもない。初心者向けのバーベキューセットは持っているものの、テントや寝袋などは買ったことがない。そんな人間なのに、である。

再生されたキャンプ場の画像を見る

 ひょっとしたらキャンプを楽しむ人が増えているのではないか。そんな疑問がわいてきたので、ちょっと調べたところ、いまは「第二次ブーム」らしい。1990年代半ばにブームがあって、そのころは親子連れで楽しむケースが多かったが、いまは違う。手ぶらで豪華なテントに泊まったり、1人でキャンプ場に行ったり、さまざまな楽しみ方が登場しているそうだ。

 市場もどんどん拡大していて、アウトドアの市場規模は4274億円で、特にキャンプやハイキングなどが、全体の半分以上を占めている(矢野経済研究所調べ)。また、オートキャンプに参加している人も年々増えている、といったデータがあるなかで、ちょっと気になることも。市場が成長する一方で、キャンプ場の4分の1は赤字と言われているのだ。

 厳しい経営環境が続いているなかで、2つの施設を再生させた会社がある。「クロスプロジェクトグループ」(本社:長野県)だ。長野県にある「いなかの風キャンプ場」と「小黒川渓谷キャンプ場」は経営難で苦しんでいたが、同社が2011年に運営を始めると、あれよあれよという間に再生したのだ。売り上げを見ると、いなかの風は5倍に、小黒川渓谷は2倍に。

 多くのキャンプ場が経営不振に陥っているのに、2つの施設はどのようにして生まれ変わったのか。クロスプロジェクトグループの鷲尾晋専務取締役に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

キャンプ場の苦しい現状

土肥: クロスプロジェクトグループはスキー場の運営のほかに、スポーツスクールなども手掛けられているんですよね。2011年に、経営が厳しいキャンプ場を運営したところ、お客さんがどんどん増えて、売り上げもぐんぐん伸びているそうで。その秘密をうかがう前に、キャンプ場のことについて聞かせてください。日本全国にキャンプ場は3000ほどあるそうですが、4分の1ほどが赤字といった指摘もありますよね。なぜこんなにあるのでしょうか?

鷲尾: キャンプ場は、誰が運営しているのか。行政や専門でない人が運営しているケースがあるんですよね。例えば、補助金でつくったり、建設会社が雇用対策でつくっていたり。ログハウスを建てて、そのスペースを展示場にする。そして役目が終わったら、そこをキャンプ場にするケースもあります。

 もちろん、キャンプ場をつくることに問題はありません。ただ、どうやって運営すればいいのか、どうやって集客をすればいいのか、といったことをきちんと把握せずに運営を始めるケースが見受けられるんですよね。

土肥: 場所さえ確保すれば、お客さんは勝手にやって来るだろうという甘い見込みがあったわけですね。

鷲尾: キャンプ場はいくらくらいで利用できるのか。価格が安いところが多く、1泊何百円といった世界なんです。それだけだと売り上げはなかなか伸びないので、売店で商品を売ったり、食材を提供したり、機材をレンタルしたりしなければいけません。もちろん、そうしたことに取り組んでいるところは多いのですが、どこまでチカラを入れているのか。お客さんのことをどこまで考えているのか。「うーん、それはちょっと……」と感じられる施設があるんですよね。

 手間をかけて、人件費をかけて、赤字が続いていても、やるしかないといった形で運営しているところも。以前は、こうした状況に陥っているキャンプ場が、日本中にたくさんありました。

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最終更新:7/24(水) 8:57
ITmedia ビジネスオンライン

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