ここから本文です

闇営業問題 “エンタメ化”の危険性 「芸人VS吉本興業」に関心集中

7/24(水) 5:00配信

オリコン

 いつ収束を迎えるのだろうか。吉本興業所属の芸人らが振り込め詐欺グループの宴会に出席し、金銭を受け取るなどした「闇営業」問題を巡る騒動は、ワイドショーや各メディアで連日、取り沙汰され、過熱する一方だ。しかし、問題発覚から現時点では明らかに“世間の関心”がズレているように思う。

【写真】衝撃の給与明細を公開したガリガリガリクソン

 騒動の発端は、6月7日発売の写真週刊誌『FRIDAY』。お笑いコンビ・カラテカの入江慎也が仲介した詐欺グループの忘年会に、雨上がり決死隊の宮迫博之らが参加したことが報じられ、その後、吉本が詐欺グループとの交際を理由に入江との契約解消を発表。金銭授受も明らかとなり、宮迫やロンドンブーツ1号2号の田村亮も闇営業問題で謹慎処分を受けた。

 さらに7月19日発売の同誌で、宮迫が3年前に約7億6000万円相当の金塊を盗んだとして窃盗罪に問われた人物らと、飲食店で同席したとされる内容と写真(以下、ギャラ飲み報道)が報じられた。ここまでは「芸人と反社のつながり」の疑惑にお笑い界が大きく揺れ、世間の注目も集まっていた。

 しかし、20日に宮迫、亮がゲリラ的に行った会見で、潮目が大きく変化したように思える。吉本興業・岡本昭彦社長の“パワハラ発言”や“隠ぺい疑惑”が告発されると、それまでの闇営業問題から「吉本興業の内部事情」に注目がすり替わった。それを受け21日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)は、緊急生放送を余儀なくされ、ダウンタウン・松本人志の尽力により、岡本社長の会見(22日実施)につながった。

 闇営業問題の実態だけでなく、さまざまな疑惑をはらんだまま行われた吉本興業の会見は、近年稀に見る“5時間半のグダグダ釈明”と、岡本社長の「(パワハラ発言は)冗談だった」という世間の常識と大きく乖離(かいり)した発言で、新たな火種を生んでしまった。

 この会見を受け、テレビ番組やSNS上で吉本芸人たちが事務所に異を唱え、待遇改善に向け、声を上げるのは自然の流れだろう。しかし“芸人VS吉本興業”という場外乱闘にスポットが当たってしまった、この問題の発端は「反社とのつながり」であって、事務所事情は“重大な別問題”でしかないのだ。

 ここ数年を振り返るだけでも、不祥事を受けての会見は、両手を使っても足りないほど行われ、SNS上では“エンタメショー”のようにイジられ続けられる事例もある。今回の騒動も、両者の会見を境にその風潮が強まった感は否めない。

 その流れを察してか、23日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)にコメンテーターとして出演したフリーアナウンサー・高橋真麻と、幻冬舎の編集者・箕輪厚介氏は、興味深い発言を残している。

 高橋「不思議だなと思ったのが、宮迫さんが最初に直営業をやって、反社会的勢力からお金をもらっていたと、隠ぺいしたということが明らかになった時に、すごく世の中が宮迫さんを叩いていた。ところが宮迫さんと亮さんの会見が行われた瞬間に、世論が真逆にひっくり返ったっていうのが不思議だなって。もともとの本質は、芸人さんVS吉本じゃなくて“反社会勢力からお金をもらった”ってところから発してるのに、全然違う話で、同じ人への見方が180度変わる大衆心理というか、世論にもまた違う問題がある」。

 箕輪「今回、全く違う問題が2つあるというのを認識しなくちゃいけない。(中略)宮迫さんの(ギャラ飲み報道の)事実がどうなのかっていうのをやらないといけないけど、ワイドショーとSNSのノリっていうのは、一番面白そうなところに野次馬みたいに行くから、そこがこんなにも早くうやむやになって、吉本の問題に行っちゃったんだなって思います。『FRIDAY』さんと、宮迫さんの言い分が違う。そこは明らかにしないとおかしいですよね」。

 報道と議論が過熱し、いまだに着地点が見えてこない闇営業問題。とはいえ、吉本の異様な実態が明らかになった以上、こちらの問題も無視できないだろう。早期解決、また“旬なエンタメニュース”として消化しないためにも、いま一度根本に立ち返り、一つひとつを丁寧に整理する必要があるのではないか。

最終更新:7/26(金) 5:25
オリコン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事