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子どもは静かに溺れます 「目を離さない」だけでは解決できない本当の理由

7/24(水) 11:01配信

BuzzFeed Japan

本能的溺水反応とは

この現象を最初に唱えたFrancesco Pia博士は、自身がライフセーバーの仕事をしていた1970年代、自らの救助活動を振り返るために、溺れている海水浴客を仲間が救助する一連の様子を映像に記録していました。

その結果、人は溺れそうになって必死になっていても、映画で見かけるように、手や腕を振って助けを求める余裕もなく、呼吸に精一杯で声を出して助けを求めることもできない、また特に乳幼児は自分が溺れていることを認識できずに速やかに沈む傾向があることに気づき、その一連の動作を本能的溺水反応と名付けました。

この現象は次第に米国の沿岸警備隊など水難救助の専門家の間で知られるようになり、米国陸軍のHPでも紹介されています。

したがって、この現象は子どもだけでなく、大人でも同じ現象なのです。ただ子どもは自分に何が起きているか分からないために、特に「静かに早く溺れる」のかもしれません。

子どもは溺れるとき本当に静かなのか?

さて、本能的溺水反応は日本の乳幼児の溺水にも当てはまるのか調べましたが。乳幼児の溺れかけた時の反応に関しては、調べた限り日本の文献は見当たりませんでした。

そこで長野県佐久地域で2018年に保育園に通う園児の保護者にアンケート調査を行い、保護者に「お子さんが溺れた、もしくは溺れそうになったことはあるか。あればそのときの様子はどうだったのか」について詳しく聞きました。

回収したアンケートを解析したところ、溺れかけた時の児の様子について「溺れかけた時に悲鳴や助けを求めるような声を出していなかった」が8割を超える結果でした。

また過半数の保護者が「溺れかけた時にバシャバシャなど音がせず静かだった」と答えていました。

今回の調査はアンケート調査で、保護者の思い出しに偏りがあったり様々なバイアスはあったりしますが、少なくとも乳幼児に関し、溺れるときは声もなく静かである傾向があることは言えるかもしれません。

子どもから目を離していても溺れかける時には「音を立てるはずだ」という思い込みは誤りで、その認識は事故予防に役立つ可能性があります。

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最終更新:7/24(水) 11:01
BuzzFeed Japan

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