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“好きを仕事に”がすべてじゃない。「再現ドラマの女王」になった元アイドルの仕事論

7/24(水) 12:30配信

新R25

「この顔、どこかで見たことあるような…」

写真を見てそう思った人は多いはず。彼女は再現ドラマに年間100本以上出演する女優・芳野友美さん。その圧倒的出演数から、“再現ドラマの女王”と呼ばれています。

でも、失礼ながら再現ドラマってパッとしないイメージ。正直なところ、不名誉な冠なのでは?

“好きなことを仕事にできる”といわれる時代に、あえてやりたくなかった仕事を続けてこられたのはなぜなのか。芳野さんにお話を聞くことで、働き方のヒントを探りました。

〈聞き手=本山航大〉

「どんなに売れなくても再現だけは…」と思っていた

本山:
女優業と事務のバイトで忙しいなか、お休みの日にありがとうございます!

芳野さんは「再現ドラマの女王」と呼ばれていますが、女優キャリアの最初から「再現ドラマで活躍すること」を目指したわけじゃないですよね?

芳野さん:
もちろん。むしろ最初は絶対にやりたくなかったですね。

本山:
やっぱりそうなんですね…

芳野さん:
「再現ドラマに出たら、自分の価値が安っぽくなっちゃうんじゃないか」って、思いっきり偏見がありました。

「どんなに売れなくても再現だけは…」って思ってましたもん。

本山:
(女王の発言とは思えない…)

じゃあ、どうして出るようになったんですか?

芳野さん:
芸能界にはいたものの、仕事がなくて悩んでたときに、いまのマネージャーに「100回の練習より1回の現場なんじゃないか」って言われたんです。

たしかに演技のレッスンを何百回やっても、現場の緊張感とか環境って、その場でしか味わえないんですよ。

だから、「小さくても本番を重ねなきゃ」って。それで再現の仕事を始めました。

「まったくB級じゃない」知られざる再現ドラマの世界

本山:
実際に再現ドラマの仕事をしてみて、いかがでしたか?

芳野さん:
「ごめんなさい」って思いましたね。

いざ現場に行くと自分の持っていた偏見とは全然違って…役者もスタッフも「すげーなこの人たち」って人ばかりだったんです。

本山:
再現ドラマの現場、どんなところがすごいんですか…?

芳野さん:
まず役者がまったくB級ではなかった。

台本をもらうの、いつだと思います?

本山:
台本ですか? うーん、1週間前とか?

芳野さん:
撮影当日の朝なんですよ!

印刷したての温かい台本をもらって、移動の車の中でセリフを覚える。

それなのに、みんな完璧に覚えるんですよ。

本山:
当日の朝!

芳野さん:
あと、ADさんがやるような現場の作業を全員で手伝うんです。

そのために撮影スケジュールを全部把握したり、衣装がかぶらないかをチェックしたり…

演技以外にも、自分たちでできることをどんどんやってたんです。

本山:
すごい世界ですね…

芳野さん:
役者だけじゃなくて、スタッフさんたちもめちゃくちゃ仕事が速い。なぜなら1日に7本とか撮るから…!

本山:
7本!!!

芳野さん:
普通のドラマって、カメラ位置の調整とか照明のセッティングを待つことが多いんですけど、再現ドラマはとにかく急いで撮るから、そんな待ち時間がないんです。

そうやってスタッフと俳優が協力しあってつくってる現場だった。

「自分が安くなる」なんて思ってたの、本当に反省しましたよ。

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最終更新:7/24(水) 12:30
新R25

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