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良質で新しいエンターテインメントを制作するためにアート本部を設立。新たな制作体制の確立を目指すコロプラを訪問【ファミキャリ!会社探訪(75)】

7/25(木) 12:02配信

ファミ通.com

 ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。今回はコロプラを訪問した。
 

【ファミキャリ!会社探訪(15)】スマホゲーム世界一を目指す、コロプラを訪問!
https://www.famitsu.com/news/201407/31056778.html
渡辺篤史さんのゲームオフィス探訪~コロプラ編~
https://www.famitsu.com/news/201702/22127074.html
“ファミキャリ!会社探訪”第75回はコロプラ

 このコーナーには2度目の登場となるコロプラ。位置ゲーのパイオニア『コロニーな生活』以降、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』や『白猫プロジェクト』、そして最近では豪華クリエイターが参加した大作RPG『最果てのバベル』など、個性的な話題作を配信してきた。今回は、同社の社内体制の変更により、新たに設置されたアート本部から、第1制作部の伊藤大輝氏、丸野未奈氏、第2制作部から南敬介氏、渡邊英樹氏の4名に、アート本部を設立した目的や意義について伺った。




プロジェクトごとにアートを強化


――みなさんの簡単な経歴から教えてください。


伊藤私はコンシューマーゲーム会社で働いていまして、2013年にコロプラに入社しました。もともとモーションデザイナーを務めていて、コロプラでは入社直後から『白猫プロジェクト』に参加して、モーション周りをメインで担当いたしました。


――『白猫プロジェクト』にはリリース後も関わり続けられたのですか?


伊藤リリース後1年半ほどは『白猫プロジェクト』に関わっていました。そのなかでマネージャーに就任し、『白猫プロジェクト』から『ドラゴンプロジェクト』の開発に移るタイミングで部長に就任しました。当時は『ドラゴンプロジェクト』のほか、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』(以下、『黒猫』)も担当していました。『ドラゴンプロジェクト』のリリース後、また『白猫プロジェクト』の担当に戻り、そこから2ヵ月ほどで組織変更があって、クリエイティブ本部という部署が立ち上がりました。


――クリエイティブ本部というのは、どのようなものなのですか?


伊藤社内のエンジニアとデザイナーが全員所属する部でした。そのなかで、第2デザイン部という3Dデザイナーが全員所属する部署の部長を務めていました。このときは特定のプロジェクトをメインに持つという形ではなく、全プロジェクトに関わりつつ、メンバーのアサインなど、広く組織の運用を担当してきました。そのクリエイティブ本部が2年ほど続いて、今年の3月に、いまの組織であるアート本部というものが立ち上がりました。


――それで所属もそちらに移った、と。


伊藤そうですね。アート本部の第1制作部で、引き続き部長を務めています。アート本部というのはクリエイティブ本部とは違い、プロジェクトに紐づいた組織の作りかたになっています。第1制作部では、『白猫プロジェクト』とそのほか未発表の新作を担当しています。人数的には『白猫プロジェクト』がかなり多いので、第1制作部はほぼ『白猫プロジェクト』のメンバーで構成されているような感じです。


――続いて南さんの経歴はいかがでしょうか?


南私は現在、アート本部の第2制作部で部長をさせていただいております。経歴としましては、CGアニメーションやCM、映画など、映像制作会社に10年ほど勤めたあと、4年ほど前にコロプラに入りました。最初は『東京カジノプロジェクト』でモーションを担当、その後『白猫テニス』の開発に移りました。そちらでもモーションを担当していました。


――部長という立場になるまでにはどのような経緯があったのですか?


南『白猫テニス』をリリースしてすぐ、マネージャーに就任しました。その後にクリエイティブ本部が立ち上がり、伊藤ともいっしょに仕事をするようになりました。『白猫テニス』の3Dを全体的に統括しながら、マネジメントをしていました。そこから2年ほどしてアート本部ができ、そのタイミングで第2制作部の部長を任されました。いまは『白猫テニス』と新作の立ち上げに関わっている状態です。


――なるほど。では渡邊さんは?


渡邊第2制作部のマネージャーをしています。私は、20年以上ゲーム業界歴があるのですが、もともと大学ではケミカルを専攻していました。大学院でケミカルの勉強をして、化学材料メーカーの研究所に3年ほど勤め、そこからゲーム業界に入りました。


――化学系からゲーム業界というのは意外です。ゲーム業界のキャリアでは、これまでどのようなことを行われてきたのですか?


渡邊さまざまなことを経験しました。最初は映像を作り、ゲーム制作会社に入ってからはキャラクター全般をやってきました。いちばんキャリアが長いのはモーションですが、それ以外にもキャラクターデザインからモデルセットアップ、演出など、いろいろやってきました。場合によっては、シナリオのプロットを書いたり(笑)。


――コロプラに入社されたのはいつごろでしょうか?


渡邊5年前の6月ですね。最初は『東京カジノプロジェクト』の開発に入って、それを4年前の3月にリリース。その後いまの上長の南が入社してきました。『東京カジノプロジェクト』リリース後は『バトルガールハイスクール』の開発に呼ばれたのですが、モーションデザイナーがいないという話を聞いていて、そんなはずはないだろう、と思って行ったら本当にいなかったんですよ(笑)。3年ほど運用に関わって、いまは新作を開発中です。まだ発表していないのでタイトルなどは申し上げられないのですが、そちらで3Dや2Dのキャラクターを中心に見ています。


――では、最後に丸野さん、お願いします。


丸野第1制作部で伊藤の下でマネージャーをやらせていただいています。前職は映像制作会社だったので、テレビCMや映画、テレビドラマなどのCG制作をおもに行っていました。5年ほど前にコロプラに入社しまして、リリース直後の『白猫プロジェクト』にアサインされて初めてエフェクト制作を行い、そこからはずっとエフェクト制作を行っています。


――ずっと『白猫プロジェクト』の開発、運用に携わられていたんですか?


丸野『白猫プロジェクト』を1年ほど制作した後、3ヵ月間だけ『黒猫』でカメラワークとエフェクトを担当し、その後『白猫プロジェクト』に戻るタイミングでマネージャーとなりました。おもにエフェクトのチェックであったり、エフェクト班と3Dキャラ班のマネジメントや、チーム内で3Dについて何か困ったことがあったときの相談役を務めています。






――みなさん、だいたい4、5年前に転職されたようですが、コロプラに転職した理由は何だったのでしょうか?


伊藤私がコロプラに来たタイミングでは、スマートフォンゲームがまさに上り調子という感じだったんですよ。前職はコンシューマーゲーム会社でしたが、後半ではスマートフォンゲームの制作にも携わっていました。少数精鋭で開発する感じであったり、ユーザーさまの手に届くまでのスピード感であったり、自分自身の裁量が大きいという実感があっておもしろいなと思っていました。
 そんななか、コロプラに勤めている知り合いが声をかけてくれて、まずは見学に、という話になりました。実際に会社の状況や皆さんが開発しているところを見ると、すごくフランクで楽しそうなのが印象的でした。そこまで転職活動をするという感じではなかったのですが、その時点でコロプラに行こう、と思いました。


――第一印象がよかったわけですね。


伊藤そうですね。見学に行ったときに、現在のアート本部の管掌役員兼本部長である森先が出てきてくれて、そこで話をしたときもフランクに話ができて、本当に雰囲気がいいなと思いました。僕としてはただ見学するつもりだったんですけど、森先と話をしているうちにだんだんと面接のような感じになりまして(笑)。


――スピード感があるお話ですね。南さんはいかがですか?


南前職で映像を制作していたときには、UnityやUnreal Engineのような、リアルタイムエンジンを使った映像が話題になり始め、映像業界でもそうした案件を相談されることが増えていました。そこでリアルタイムを自分で勉強しようと思ったのですが、実際にやってみるとやっぱり難しくて、やるならそういったエンジンに強い会社に思い切って行くべきだな、と考えました。


――そこでゲーム業界への転職を考えられた?


南そこまで強くゲーム業界……と限定はしていませんでしたが、UnityやUnreal Engineを使っているのはほぼゲーム系の会社でしたね。実際にコロプラはそれらを使ってゲームを作っていましたし、3Dにも強そうだなと思ったので、そこで決めました。

渡邊私もきっかけは伊藤に近く、前の職場ではガラケーのゲームやシミュレーションのゲームを作っていました。私としては、3Dの仕事がしたかったのですが、当時その会社では3Dの仕事がなかったんですね。UnityやUnreal Engineを使って3Dのアプリを作っているところはどこだろうかと考えて、前の職場を辞めたのが2014年の4月末で、その3月にコロプラが『スリングショットブレイズ』という3Dのアプリを出していたんですよ。それでこの会社はちゃんと3Dでアプリを作っているから受けてみよう、と思いました。つぎの職場が決まる前にすでに前職を辞めているんですよね。2Dの勉強などももう1回やり直そうかなと思いながら就職活動を進めていたら、通ってしまいました(笑)。


――ちなみに、3Dでアプリを制作しているという部分以外で何か大きなポイントはありましたか?


渡邊当時コロプラが出していた『プロ野球PRIDE』など、複数のアプリがランキングの上位にランクインしていて、ヒットゲームを量産できる会社であるところに魅力を感じました。ひとつだけがすごく売れても、一発屋になってしまうと後で困りますが、量産できるということはそれだけ力があるということですからね。強い印象として残っています。


――丸野さんは南さんと同様に、映像からゲーム業界へ、異業種への転職ですね。


丸野私は転職当時、27歳ぐらいだったので、別の会社も見てみたいという思いや、それまでは映像系だったので、まだやったことのないゲーム系の仕事もしてみたいという考えがありました。複数の会社を受けてはいたのですが、コロプラを受けた理由はみなさんも言った通り、当時3Dを使ってモバイルゲームを作っている会社が珍しかったんですよね。しかも『スリングショットブレイズ』や『黒猫』などのヒット作を複数出していて、渡邊も言っていたように、一発屋ではなく、何本もヒットさせていることがすごく印象的でした。そこでコロプラを受けて、内定をいただくことができた、という感じですね。



会社の規模は大きくなっても、現場の意見が開発に活かせる


――みなさん順調に転職されたわけですね。コロプラさんに入社されて、実際に中で働いてみてのご感想はいかがでしたか?


伊藤じつは私は知り合いに誘われるまで、コロプラのことはほとんど知らなかったんですよ(笑)。入った後の印象は、人のよさをすごく感じましたね。当時から採用の際には素直さといったところを見ていると聞いていました。実際に自分が採用する側の立場になっても重視していることですが、本当に話しやすい人が多いです。
 ゲーム開発の現場というとピリピリしていることも多いと思うのですが、コロプラではそういったことがほとんどなくて、とにかく働きやすいですね。入社当時からすると人数的には数倍になりましたが、それでもその雰囲気は変わっていないと思います。

南僕は映像業界から入ったので、そもそもゲーム業界に対するイメージがありませんでした。最初に参加した『東京カジノプロジェクト』は割と映像業界出身の人が多く、ゲーム業界に初めて来た状況の中でもちゃんと役割を与えられて、それをまっとうできたと思っています。そういった意味で、私も働きやすい会社だと思いました。こちらの話も聞いてくれるし、何も知らないのにいろいろとしてくれて、助かりましたね。

渡邊前職では200人規模の会社に勤めていました。コロプラは、自分の入社時でもその倍の400人以上のスタッフがいましたので、「大きい会社のぶん動きづらいところもあるのかな」と思っていたんですよ。実際は、『東京カジノプロジェクト』の開発初期から参加し、少人数で「これから作っていくぞ」という段階だったこともあって、働きやすかったですね。
 もちろん会社としては大きいんですけど、プロジェクト単位で考えると非常に動きやすい環境だと思います。それから、コロプラの場合は社長の馬場(※コロプラ 代表取締役社長 馬場功淳氏)がゲーム開発をやってきた人間ですから、開発者の目線や開発者がどういうことで困るのかをちゃんと理解してくれています。これはすごく印象的でしたし、開発の現場としても、話がスムーズに進むので、やりやすいですね。

丸野私がいた映像業界の場合は、監督やクライアントありきで進むのが当然でした。こちらからやりたいことを提案することはできるのですが、最後に決めるのはやっぱり監督さんなどになります。コロプラの場合は、いろいろな人が裁量や意見を持って決めていけるんだな、というのがいちばん驚いたことです。


――現場の意見を反映させることができる、と。


丸野社内では、つねにどこかで誰かがその場でミーティングをしているような感じなんですよ。上からの指示に沿って作るのではなくて、現場に関わる人が作ったものがあって、そこで決まっていく。自分たちで思ったことを作っていけるというのは、おもしろいなと思いました。






――フレックスタイムの導入もされているようですが、福利厚生についてはいかがでしょうか?


南昨年の2月に働きかた改革を導入して、フレックスタイムで働けるようになったんですが、22時以降の残業や休日出勤を原則禁止とすることで、全体的に社員がプライベートの時間を持てるようになったんじゃないかな、と思います。

伊藤そのほかに、“Kuma SPA”と言われるマッサージ制度ですね。免許を持った整体師の方がしっかりとマッサージしてくれます。自分自身、首や肩の凝りがかなりひどいタイプなので非常に助かっています。


各プロジェクトに特化し、アートを追求


――皆さんが所属しているアート本部についてですが、どういった経緯でできたのか、どういった部署なのかを教えてください。


伊藤もともとクリエイティブ本部という形で、エンジニアとデザイナーがひとつの部署に集まっていました。そうすると、人数としては500名を超える大所帯になるわけです。さすがに部署としては人数が多すぎるということもあり、専門性をより追及していくためには、それぞれの分野でまとまり、特化したほうがいい。アート本部としてアートを追及していくという形にしたほうがいいだろう、というのがひとつの理由ですね。


――アートを追求していく部署だと。


伊藤もうひとつは、組織のありかたとして、クリエイティブ本部は全プロジェクトに横断的に関わっていました。たとえば、第2デザイン部という3Dの部署であれば、すべてのコンテンツをある程度把握しつつ、3Dのスタッフのアサインをしたり、適した場所にヘルプを送ったりしていました。しかし、そうなるとどうしても力が分散してしまって、ひとつのコンテンツに集中できない状況が発生していました。
 アート本部では、制作部ごとに担当プロジェクトを持ち、担当プロジェクトに対して責任を持っていく、という組織に変えました。アート本部は、アートにより注力できる環境に変えるためのものだと思っています。


――アート本部内での部門はいくつに分かれているのでしょうか?


伊藤いまは第4制作部まであります。私が部長を務める第1制作部は、先ほどもお話したように、ほぼ『白猫プロジェクト』のメンバーで固まっています。そして、別の新作も作っているという状態ですね。アート本部が立ち上がった直後は、たとえば『白猫プロジェクト』関連のIP(知的財産)をひとつの制作部にまとめて、そのIPに注力した組織体制にしたいという話も出ていました。ただ、人数構成、役職者の構成的にそこまでいくのは難しい。そこで現状の形となっています。


――将来的には新作の開発が増えていく可能性も?


伊藤現段階で言うと、『白猫プロジェクト』というコンテンツをしっかりと作って、その先の『白猫プロジェクト』系列の新作などもしっかりと作っていけるような形に持っていきたいなと思っています。


――わかりました。第2制作部はいかがでしょうか?


南第2制作部では、まず私が『白猫テニス』を見ています。こちらは『白猫プロジェクト』系列のIPではありますが、これまでのコロプラにないような新しいコンテンツも進行しています。そういったところで、アート本部の目標として、アートからできる新しい体験や遊びを提案していく、というのを掲げているので、そこを体現していく形になると思います。


――“アート側からの提案”と言いますと?


南3D専門のトガった人たちが多いので、そういったメンバーたちと、つぎのプラットフォームや新しいコンテンツを生み出せるような体制作りをしていくのが目標になるかなと思っています。アートから新しい価値創造をしていきたいです。


――第3、第4制作部も基本的には同じような感じでしょうか?


南第3制作部では、他社IPとコラボした新作、第4制作部では『黒猫』がそれぞれメインとなっている部分ですね。一部違うところでは、第3と第4にUIチーム、コンセプトチームという横断的なチームがあります。これは各コンテンツに紐づくものではなく、横軸でつながっていて、アート本部として必要なところに人を送り込んで、いいものをブラッシュアップして作っていく、というものになります。


――ちなみに、アート本部にはデザイナーの方々が集まっているということですが、ほかの職種の方はどのようになっているのでしょうか?


南エンジニアにはエンジニアリング本部というものがあります。プランナーについては白猫黒猫本部という本部と、エンターテインメント本部というふたつに分かれていて、それぞれにプランナーと企画職が配属されている感じですね。いまはこの4本部が各タイトルに紐づき、制作を行っています。



組織再編中のいまがチャンス!


――アート本部を立ち上げて体制を一新したというのは、人員やプロジェクトを増やそうという流れもあるのでしょうか?


伊藤正直にお伝えすると、クリエイティブ本部時代に人数がかなり増えて、メンバーの数は多くなってきています。ただ、我々管理側の人材についてはまだまだ足りていないのが現状です。組織を作っていくなかでマネジメント層がまだまだ必要なので、組織を安定させるためにも、よりアートを追求するためにも、そういったマネジメント層の採用にはとくに力を入れていきたいと思っています。
 たとえば組織がすでに固まっている会社に属していて、管理職を目指したいけど上が詰まっていて頭打ちを感じている方など、ぜひ弊社へお越しいただいて、組織作りからお手伝いいただきたいな、という思いはあります。そういったところで活躍していただければ、マネジメントの役職なども目指せるのではないかなと思います。

南コロプラで最大の人数を抱えている本部になるので、管理職など上の立場の人間はそれなりに必要だと思いますし、伊藤からもあった通り、正直そこが足りていないというのがネックだと思っています。まだ組織もでき上がったばかりの若い状態だからこそ、そういった目線を持った方に来ていただければ、いっしょに組織作りを行っていけるかなと思います。

伊藤丸野が先ほど話していたように、もともと意見を通しやすいという環境ではあるのですが、いま組織を整えていくなかでは、より自分の意見を取り入れた変化を起こしやすいのではと思います。もちろん自分勝手になってはいけないんですけど、自分の理想とする組織を踏まえて、アート本部の組織作りに協力してもらえるとありがたいな思います。



コロプラで活躍できるタイプとは?


――どのようなタイプの人材がコロプラでは活躍できると思いますか?


伊藤アート本部はデザイナーの組織なので、もちろんデザイナーが対象なのですが、デザイナーである前にゲームクリエイターであってほしいな、とは思います。

渡邊それ、言おうと思っていたのに(笑)。

伊藤あ、すみません(笑)。弊社はゲーム会社ですので、「私はデザイナーです」と壁を作って、自分のところに来た仕事だけをこなすというのはちょっと違うと思います。そういう人が集まってしまうと、チームやセクションのなかで壁が生まれてしまって、活発な意見交換もなくなってしまいますからね。自分のデザイン業務だけでなく、ほかのデザイナーや企画など、いろいろなところに目線を向けて、思うところがあればしっかりとコミュニケーションを取って、チーム全体としていいものを作っていくことはすごく重要だと思っています。そういった意味で、ひと言で言えば“ゲームクリエイターの目線を持っている”方がいるとうれしいですね。


――コロプラさんではそれぐらい個々人の裁量が広いわけですね。


伊藤そうですね。明確に押さえつけられることはなくて、その人自身に動く気があれば、どれだけでも動ける環境だと思います。

南弊社のホームページにも書いてあるのですが、数字はいいときも悪いときもありますけど、それをしっかりと受け止めて、ユーザーさまや周りの人の声をちゃんと聴く姿勢、向上させる姿勢というものを持たない限り、つぎのエンターテインメント、楽しいことは作れないと思います。人の意見や数字に対して素直になる、という部分は持っていてほしいですね。

渡邊伊藤の話と少し被りますが、コミュニケーション能力は重要だと思います。デザイナーだと、業務によっては自分のことだけに集中していても成り立つことはありますが、デザイナーだけではゲームは作れないんですよね。プランナーやエンジニアなど、ほかのセクションと連携を取って、ひとつのゲーム、ひとつのエンターテインメントを作るものじゃないですか。


――確かに、ゲーム製作は関わる人の数もかなり多いですからね。


渡邊「自分はこれが作りたい」だけだと、それは開発者のエゴになってしまいます。市場が何を求めているのかもちゃんと察知しないといけません。いまはこういう状態だからこうしないといけない、ということをほかの人に伝えることができ、そこに対してアクションを起こせる人、というのが必要だと思います。アクションまで起こせるのがいちばんいいですね。デザイナーは作業に没頭しやすい職業ですが、管理職となるとコミュニケーション能力が必要不可欠だと思います。


――最後に丸野さんからは?


丸野気遣いができることが大事だと思います。ゲームクリエイターとして、という話もありましたが、自分の立ち位置や周りの状況を見て、「いまはこういう状況だからこれをやっておきました」、「これがヤバそうですけど大丈夫ですか」のように動ける人がいるのは大きいです。自分の作業に没頭してしまいがちなんですが、結局それもつぎの工程を担当する人がいるから、全員で話さないといけないんですよね。そこに意外と気がつけない方もいるので、広い視野を持って、チームで作っているということを理解したうえで、積極的に「これはマズくないですか?」というアラートを出してくれたり、行動できる人が、役職者にもなっていくのかな、と思います。


――やはり、コミュニケーション、人との関わりが重要なのですね。


伊藤ただ、先ほどの話とは真逆かもしれませんけど、圧倒的に実力のある人というのも大事ですね。やっぱりアートの部なので、絵を作る、というのが大きな命題としてあります。クリエイターは圧倒的な実力を持っている人についてくるという傾向にあると思うので、腕で語るタイプの人がいても助かりますね(笑)。



転職者に向けてのアドバイス


――ご自身の経験も踏まえて、いまゲーム業界内で転職を考えている方に対してアドバイスをお願いします。


南ゲームは映像制作以上に、いままでになかったような手法も使えたりして、かなり多様性が高いんですよ。いろいろなスキルを持った方が、それぞれの方法で活躍できる現場かな、と僕は感じています。しっかりと自分のスキルをアピールできると強いと思いますよ。アピールができていれば、採用側もどこで活躍させられるかのイメージを持ちやすいですよね。そういった部分をポートフォリオや履歴書の経歴などで示すことができるといいと思います。

伊藤いま転職を考えられている方で、たとえば映像系にいる方でも弊社に来てもらいたいなと思っています。デザインの制限や見えかた、インタラクティブな部分など、映像とゲームで違う部分はありますが、デザインというところでの本質は変わらないと思っています。ベースとして自分の腕、実力があって、それを各業界に合わせて調整していくだけだと思うんです。現に、南と丸野は映像系出身ですが、こうして中心人物として活躍してくれています。業界をまたぐということに壁を感じず、ぜひ来てもらいたいです。ラーニング期間なども設けて、入っていただいてからお伝えできることもあるので、そういったことは気兼ねせずに来ていただければと思います。映像系の話ばかりしていますが、もちろんゲーム系の方もぜひ来ていただきたいです。もはやゲーム制作において、コンシューマーゲームとスマホゲームの垣根は徐々になくなってきていると思います。スマホゲームはハードのスペックという制約があるため、どうしても技術的にコンシューマーゲームの後追いになりがちですが、ハードや技術の進化速度は非常に早いので、現在コンシューマーゲームにいる方でも、これまで培ってきた技術と経験を活かすことができると思います。

丸野私は映像やゲーム、いろいろな業界から来た方の採用に関わらせていただいていて、ポートフォリオや履歴書も見させていただいています。ポートフォリオは自分の過去の経歴をプレゼンするものだと思うのですが、映像にしても紙にしても、見る側から見て、これのここを作ったんだなというのがすぐにわかるような作りかたや構成だと、まとめるのが上手だなとか、相手のことを考えているな、ということも伝わってきます。ポートフォリオなどを制作する際には、そういった部分も意識するといいかな、と思います。


――ゲーム業界に限らず参考になりそうですね。渡邊さんはいかがでしょうか?


渡邊ゲームの開発者に限った話ではないかもしれませんが、開発をする人間というのは、新しいことを何でもどんどんやっていきたいという思いを持っていると思います。コロプラは社長の馬場も「新しいものを作り続けなければ」という話をいつもしていますし、そこに対する新しいアクションをいつも考え、実際にやっている会社だと思います。もちろん新しいことをして成功することもあれば、失敗することもあります。ただ、そういう新しいものを作りたいと思っている、新しい表現に向けて自分でアクションを起こせる、「自分はこういうものを作りたいけどどうですか」という話ができる、というのは強いと思います。

伊藤新作を作るということが会社全体の意思として出ていて、新作に人を充てる割合も増えてきています。新しいものづくりに関われる機会もあると思うので、そこに参加したいという方はぜひ弊社に来てください!



コロプラってどんな会社?

 代表取締役社長の馬場功淳氏が2003年に始めた位置情報ゲーム『コロニーな生活』が人気を得て、そのサービス拡大のために2008年に法人化されたコロプラ。経営理念を“Entertainment in Real Life ~世界中の日常をより楽しく、より素晴らしく~”とし、スマートフォン向けに『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』や『白猫プロジェクト』、豪華ゲームクリエイターが参加し話題の『最果てのバベル』など、続々と話題作、人気作を配信している。国内外のモバイルゲームサービスの提供に加え、VRサービスや位置情報を活用したコンサルティングサービスなど、幅広い事業を展開している。

株式会社コロプラ

●代表取締役社長 兼 CEO 兼 COO:馬場 功淳
●設立年月日:2008年10月1日
●従業員数:836名(2019年3月末現在)
●事業内容:スマートフォンアプリを中心とした国内・海外向けモバイルゲームサービスの提供、VR(仮想現実)デバイス向けサービスの提供、位置情報分析コンサルティングやスマートフォン特化型リサーチ等、その他サービスの提供

最終更新:7/25(木) 12:02
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