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【更新・北朝鮮ミサイル発射】韓国全土が射程圏内に。米韓合同軍事演習への反発

7/26(金) 20:51配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

北朝鮮の金正恩国務委員長(朝鮮労働党委員長)がまたもや抜け目のない、したたかな外交戦略の本領を発揮している。

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北朝鮮は7月25日早朝、東部の元山付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射した。北朝鮮国営メディアは翌26日、これらを4月と5月のミサイル発射時と同じように、「新型戦術誘導兵器」の発射と報じた。

ただし、今回発射された2発目のミサイルの射程は690キロにも達し、韓国全土に加え、福岡を含む九州北部や日本で軍事拠点化が進む米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)さえも射程に収める。

北朝鮮は間違いなく、短距離ミサイルならば特に問題視しないというトランプ米大統領の融和的な足元を見透かし、アメリカと日韓の間隙を突いて揺さぶりをかけている。

発射のタイミングも絶妙だった。アメリカ政権内で最も対北朝鮮強硬派のジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が日本に続き、韓国を訪問している最中に起きた。

発射されたミサイルの正体

北朝鮮国営メディアの労働新聞が7月26日に公開した写真によると、今回発射されたミサイルは、5月発射のミサイルと同様、ロシアの新型の地対地ミサイルシステム9K720「イスカンデルM」で使用される、近・短距離ミサイルの9M723と酷似している。

国際的に有名な兵器年鑑である「ジェーンズ・ストラテジック・ウェポン・システムズ」によると、最大射程距離は9M723が500キロとなっている。

ところが、韓国軍によると、今回発射されたミサイルの飛行距離は1発目が約430キロだったが、2発目は約690キロにも及んだ。高度はいずれも約50キロだった。

5月9日に発射された2発のミサイルの飛距離がそれぞれ約420キロと約270キロ(高度は約50~60キロ)だっただけに、今回の短距離ミサイルは一段と飛距離を伸ばし、高性能化したことになる。軍事専門家の間で、今回のミサイルが9M723の改良型とみられるゆえんだ。

ドイツのミュンヘン在住のミサイル専門家、マーカス・シラー博士は筆者の取材に対し、「イスカンデルで、特に東方向に発射すれば690キロの飛距離は達成可能である。しかし、最大高度が50キロならば空気抵抗が強く、690キロに達するのは困難なはず」と指摘した。

一般にミサイルは、民間ジェット機同様、高度が高ければ高いほど空気が薄いため、空気抵抗を浴びずにすむ。逆に低ければ低いほど空気抵抗を浴び、ミサイルの飛距離も短くなる。

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最終更新:7/27(土) 9:01
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