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かんぽ、局員がざんげ うそまみれの顧客勧誘「申し訳なかった」

7/26(金) 10:14配信

西日本新聞

 「ざんげしたいことがあります」。保険営業を担当する関西の郵便局の男性局員が重い口を開いた。

【写真】「あと2件アポ取れるまでは社員にも負荷を」郵便局幹部に上司から送られたメール

 男性は数年前まで、本来は保険に加入できない持病のある人に「告知の必要はない」と虚偽の説明をし、契約を結んでいた。

 この方法で契約させた40代の女性は持病が悪化して入院。かんぽ生命は「告知義務違反」を理由に保険金の支払いを拒否した。女性は「局員に告知しなくていいと言われた」と抗議したが、男性は会社の調査に「そんな説明はしていない」とうそをつき通した。

 上司から求められた1日5件の見込み客宅への訪問。訪問先がないときは、目的外使用が禁じられているゆうちょ銀行のデータを見て、資産がある顧客に電話をかけ続けた。多いときで1日50件。「制度が変わった」「相続税対策の説明をしたい」というのは表向きの訪問理由で、目的はもちろん保険契約の獲得だった。

 「だまして申し訳なかった。契約を取らないと局に帰れなかった」

次々に生み出される新たな勧誘方法

 営業の現場では、勧誘のテクニックとして複数の“話法”が存在する。昨年、関東の局員はインストラクターと呼ばれる指導役に同行し、「生前贈与話法」を目の当たりにした。

 インストラクターは高齢女性に「天国までお金を持って行ったらお子さんが困りますよ」「毎年100万円をお子さんの通帳に動かして保険の形で預けてもらえれば、相続税も贈与税もかかりません」。女性と同席した娘にサインさせた。

 局員は「そもそも相続税の課税対象者でない場合や、相続税より保険料が高くなることもあるが、そういった説明は一切しなかった」と明かす。

 マイナンバー話法、介護施設話法、凍結話法‐。次々に生み出される新たな勧誘方法。保険内容を理解しないまま契約する高齢者は後を絶たない。

 かんぽ生命のメイン商品である貯蓄型保険は長引く低金利政策によって魅力が薄れ、新規契約の獲得は困難になった。多くの局員は顧客が不利益となる「乗り換え」によって厳しい営業ノルマをしのいでいる。

 数年前に退職した九州の元局員は成績優秀者として表彰された経験があるが、ほとんどが乗り換えだった。「商品で勝負しても他社に負ける。お客さんに多少の不利益があっても乗り換えさせるしかなかった」

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最終更新:7/26(金) 14:32
西日本新聞

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