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支え合い理念台湾で注目 南砺の地域包括ケア 

7/26(金) 0:53配信

北日本新聞

 南砺市の地域包括ケアシステムが、急速に進む高齢化が課題となっている台湾で紹介される。同市の関係者が招待を受け、27日から現地で地域医療再生や人材育成の取り組みなどを説明。医療や福祉関係者だけでなく、住民も主体となって互いに支え合う南砺型モデルが、海外からも注目を集めている。

 南砺市では2008年に深刻な医師不足に陥ったことによる危機感から、包括ケアの取り組みが先駆的に進められてきた。

 09年には富山大附属病院総合診療部の山城清二教授と共に、医療や介護の専門職、住民らを対象に、地域医療をサポートする人材養成の講座をスタート。受講生は10年間で約430人に上り、講座は県内外の自治体に広がっている。

 高齢者や障害者の見守りなど、住民が互いに支え合う活動も進められている。4月には住民が主体となって地域課題解決に取り組む「小規模多機能自治」が始まり、高齢者が集う拠点づくりなどが各地域で活発化。導入に力を尽くしてきた南眞司前南砺市民病院長は「住民が地域の課題を知り、自分の問題として解決しようという意識が必要だ」と強調する。

 日本の先進的な取り組みを調査してきた台湾在宅医療学会理事長で医師の余尚儒氏が南砺に着目。台湾の過疎地域でケアの質を高める上で、住民を巻き込んだ活動によって医療崩壊を回避した南砺の例が参考になると考え、昨年に関係者とともに南砺を訪れ、取り組みを学んだ。

 台湾には山城教授や南前院長、近藤修司北陸先端科学技術大学院大客員教授、村井真須美福寿会北部定期巡回センター所長、市民団体「ほっこり南砺」の中山明美代表が訪問。27日は台湾大でシンポジウムがあり、医療関係者や学生に活動や理念を紹介する。28~31日は地域医療を担う人材養成のワークショップを開く。山城教授は「南砺の成功事例が他国のモデルとなり得るか、検証できればいい」と話している。(福光・城端支局長 湯浅晶子)


 ■地域包括ケアシステムとは

 高齢者が住み慣れた地域で自分らしい人生を全うできるよう、医療や介護だけでなく、介護予防や見守り、買い物代行といった生活支援などが一体的に提供される体制。国は自治体に対し、団塊の世代が75歳以上になる2025年をめどに整備を促している。

北日本新聞社

最終更新:7/26(金) 0:53
北日本新聞

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