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サツキマス完全陸上養殖に成功 “ご当地サーモン”開発に弾み

7/29(月) 17:54配信

みなと新聞

 水産研究・教育機構(水研機構)は25日、国内で初めてサツキマスの完全陸上養殖に成功したと発表した。サツキマスは川の上流に生息するアマゴが海へ下って成魚に成長した魚で、産卵のため再び川へと戻る。近年は養殖したサケ・マス類を地域のブランド品にする「ご当地サーモン」の生産が全国各地で広がっており、今回の研究成果を活用することで、これまで養殖が行われていなかった地域でもご当地サーモンを生産できる可能性が出てきた。

 サケ・マス類の養殖には淡水と海水の両方での飼育が必要だった。同機構はイケス内を淡水から海水に切り替える水槽を開発。淡水と海水を行き来する環境を同じ施設で管理できる体制を構築した。今後はトラウトサーモンやサクラマスなど他のサケ・マス類に同様の技術が適用できるか研究を進める。

 これまでサツキマスのように淡水でふ化し、海で成長する降海性マス類は、成長しやすい個体を親魚(養殖用の稚魚を生ませる親)に選抜することでより養殖に適した稚魚を生産してきた。ただ「海面で飼育した親魚を採卵のために淡水の施設に導入する(移す)と、海水由来の疾病を持ち込む危険性があるため、これまで積極的には取り組まれてこなかった」(同機構)という。

 今回開発したシステムでは淡水から海水、海水から淡水へ徐々に水を切り替えるため、海や川に近いといった立地条件にこだわらずにサツキマスの養殖ができる。同研究所では海水とカルキ抜き処理をした水道水でサツキマスを飼育。昨年10月に採卵に成功し、産業レベルと同等の飼育密度で育て、平均で1尾1・3キロサイズになったという。生残率は98%だった。

[みなと新聞2019年7月29日付の記事を再構成]

最終更新:7/29(月) 17:54
みなと新聞

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