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《部活が変わる 吹奏楽部は今》“ブラック部活”とささやかれ… 大会過密「見直しを」

7/30(火) 6:04配信

上毛新聞

 昨年度から群馬県全県で本格的に始まった部活改革。吹奏楽部の運営の在り方に特化した提言は全国的にも珍しく、実現に向けた各校の取り組みが注目される。県内の吹奏楽部の現状と、改革への道筋を探った。

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 夏休み前の午後4時すぎ。群馬県の県央地域のある中学校では各教室から吹奏楽部の「パート練習」の音が響いた。部員たちは最大の目標である群馬県吹奏楽コンクールを間近に控え、演奏曲の練習に打ち込んでいた。

 この学校では昨年春から部活動の時間短縮に取り組む。顧問の男性教諭は「練習量は以前の半分。大会に間に合わせるのが精いっぱい。音楽を楽しむ心を育むのも部活の役割だが、それができているか…」と吐露した。

 国が運動部のガイドラインを示したのを受け、県教委は昨年4月、「休養日は週2日以上」「平日の練習は2時間以内」などとする運営指針を策定した。文化系の部活も対象とし、高崎市を除く県内全市町村が指針を踏襲している。

■過密日程

 多人数で一つの音楽を表現する吹奏楽部は、長時間練習の常態化や厳しい指導により、運動部以上に“ブラック部活”とささやかれることもあった。高校生の娘が中学時代に所属していた40代父親は「毎晩11時近くまで部活をし、土日も休みなし。娘にとってはただ眠いだけ、つらいだけの3年間だった」と振り返る。

 活動が長時間にわたる要因の一つは過密スケジュールだ。県吹奏楽連盟が主催するコンクール、ソロコンテスト、マーチング、アンサンブルをはじめ下部組織が開く地区予選。それらの大会に向けた講習会や各校の定期演奏会、地域行事などもある。この顧問教諭は「限られた時間で仕上げようとすると負担は大きく、一部の大会への参加をやめようかと検討している。今後、大会の見直しは必要ではないか」と話す。

■しわ寄せ

 負担軽減を求める声は保護者にも強い。北毛地域の中学に通う女子生徒は顧問の指導について行けず、一時不登校になったという。40代母親は「コンクールの結果が自分の評価になるので、先生は気持ちに余裕がなくなる。結果的に子どもへのしわ寄せになるのではないか」と指摘する。

 こうした実情を踏まえ、連盟は中学、高校の吹奏楽部の在り方に関する検討委員会を立ち上げて議論し、今年4月に連盟への提言という形でまとめた。生徒に応じた練習計画や大会運営の効率化など、当事者が配慮すべき点を具体的に掲げている。背景には、国主導の改革が現場に混乱や戸惑いをもたらしている状況への危機感があった。

最終更新:7/30(火) 6:04
上毛新聞

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