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手術を40回以上繰り返した顔 「私みたいな顔だと、恋愛なんて…」臆病だった私を変えた友と夫の言葉

8/3(土) 7:00配信

withnews

恋をするとき、あなたは相手の外見を気にしますか? 顔の変形やアザ、マヒなど特徴的な外見のためジロジロ見られ、恋愛や学校生活、就職で苦労する「見た目問題」。顔の手術を繰り返してきた河除(かわよけ)静香さん(44)は「こんな見た目だから、私は恋愛なんて縁がない」と思っていましたが、今は最愛の夫とともに幸せな家庭を築いています。静香さんから聞いた、外見に悩む人が恋に前向きになるためのヒントを、著書「この顔と生きるということ」から抜粋します。(朝日新聞記者・岩井建樹)

【写真】「アヒルのガーコ」といじめられた幼少期、そして最愛の人との出会い・結婚……河除静香さんの半生

「ばい菌がうつる」 いじめられた子ども時代

富山県に暮らす静香さんは生まれつき動静脈奇形を抱え、血管の塊が口や鼻にあり、形が普通と違います。これまで血管の塊を切除する手術を40回以上繰り返してきました。子どものころから、いじめられました。

「保育園のとき、普段は遊んでくれない男の子が、私の手を握って『目をつむっていてね』と言ってきました。そして、『こっちに来て』と私を誘いました。男の子にうながされて目を開けると、数人の子どもたちが笑っています。ふと足元を見ると、私は吐しゃ物の上に立たされていました」

「小学生になると、給食当番で配膳しようとすると、『ばい菌がうつる。汚い』と言われました。フォークダンスで手をつないでもらえなかったこともあります。中学生のときには、社会科の授業で『基本的人権の尊重』を学んだ直後、男子生徒に『おまえなんかに基本的人権はない』と言われました」

「私みたいな顔だと、恋愛なんて…」

思春期になった静香さん。好きな人はいましたが、「こんな見た目の私なんて……」と気持ちを打ち明けることはできませんでした。いじめられた経験から男性への苦手意識も強く、男性を避けました。

「男性と接することに臆病になっていた私を変えてくれたのが、友人でした。短大の卒業旅行で、温泉に行きました。温泉につかっているときに恋愛の話題になり、『私みたいな顔だと、恋愛なんてできないよね』と漏らすと、友人が『なんで、そんなことを言うの?』と泣きながら叱ってくれました」

「その言葉を聞いて、私も恋愛してもいいのかなと思えるようになりました。そして、男性を避けるのではなく、女性を相手にするのと同じように普通に接しようと決めました」

友人の言葉に背中を押されるように、中学時代から好きだった男性に告白します。

「結局、振られてしまいましたが、彼は誠実な対応をとってくれました。長年の思いを伝えることができて、『大仕事を果たした』と、とても心が晴れやかになりました。実は私、その彼も含めて3人の男性に告白しました。全部振られているんですけど、恋愛について後ろ向きだったのがウソのように前向きになれました」

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最終更新:8/4(日) 10:23
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