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東京2020大会で採用 関係者約30万人を見極める「顔認証システム」とは?

2019/8/1(木) 12:42配信

みんなの2020

日本電気株式会社(NEC)は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)において、同社が開発した顔認証システムを納入する。アスリートをはじめとした約30万人もの大会関係者の入場時における本人確認に顔認証システムが使用されるのは、オリンピック、パラリンピック競技大会において史上初となる。同社は東京2020大会において、パブリックセーフティ先進製品(生体認証、行動検知/解析、ドローン)、ネットワーク製品(SDN、有線ネットワーク、無線ネットワーク)カテゴリーのゴールドパートナーとなっている。

世界3大スポーツイベントに挙げられるなど、オリンピック、パラリンピック競技大会では非常に多くの大会関係者が開催都市を訪れることになる。従来は目視による本人確認が実施されており、なりすまし入場や確認待ち行列が発生するリスクがあった。

東京2020大会の特徴として、競技会場が各地に分散していることがある。過去大会においては複数近接する競技会場を一つにまとめたオリンピックパークを設けており、入場に際して一度セキュリティチェックを実施すればよかったのに対し、東京2020大会ではそれぞれの会場において毎回セキュリティチェックを行う必要がある。

また、数多くの競技会場が都心に配置されていることも特徴の一つだ。そのため、来場者が並んだり、セキュリティチェックを実施したりするためのスペースを確保するのが難しく、猛暑による熱中症などのリスクにも直結することになる。

そこで東京2020大会では、40を超える競技会場、選手村、IBC(国際放送センター)、MPC(メインプレスセンター)など全会場において、アスリート、運営スタッフ、ボランティア、報道関係者など約30万人の大会関係者の本人確認に、NECの顔認証システムが採用されることになった。

NECが東京2020大会に向けて目指していることを、東京オリンピック・パラリンピック推進本部 パブリックセーフティ事業推進グループ部長、山際昌宏氏はこう話す。

「オリンピック、パラリンピックという大会は、世界中の注目が集まる一大スポーツイベントになります。当然、テロ等への脅威への対策が必要になるのですが、例えばサミットのように厳重な警備をすればいいというわけにはいきません。リオデジャネイロ大会へ視察に行きましたが、軍隊や軍警察が銃を持ってあちこちに立っていたんですね。これでは、せっかく世界中から多くの方々が訪れているのに、その熱気や感動が損なわれてしまうのではないかと感じたのです。そこで、東京2020大会においては、生体認証・行動検知/解析などの最先端テクノロジーを活用して危険を未然に防止することはもちろん、“さりげない“警備を実施することで、人々の熱気や感動をしっかり守りたいと考えています」

大会関係者の会場入場時における顔認証システムの採用は、東京2020大会の円滑な運営を実現するうえで大きな期待が寄せられている。

「従来のような目視による本人確認では、似ている顔を瞬時に正しく判別することは簡単ではありません。顔認証システムを使用することで高精度の本人確認や確認時間の大幅な削減が実現し、安全・安心で、現場の混雑・混乱を防ぐストレスフリーなセキュリティチェックが可能になります」

具体的には、ICチップを搭載したIDカードと事前に登録した顔画像をシステム上でひも付けし、入場レーンに設置された読み取り機に着券することで本人確認が完了するため、スムーズにゲートを通過できる。「駅の改札のようなイメージ」と山際氏が話すように、一つの事例では、これまでの目視による入場確認の運用と比較して約2.5倍以上のスピードで本人確認を実施することが可能になっている。

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最終更新:2019/8/1(木) 12:42
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