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令和時代のラジオ、その現状とこれから

8/1(木) 16:54配信

帝国データバンク

 日本で初めてラジオ放送が行われたのは1925年、それから26年後の1951年に民放ラジオの放送が開始され、以後、ラジオは人々の生活のなかにあり続けている。令和を迎えた今、これまでのラジオ放送を取り巻く環境に変化が起きているようだ。

収入高合計、10年で2割減

 帝国データバンクが保有する企業概要データベース「COSMOS2」に収録されているラジオ放送業者のうち、業績が判明している246社の2018年の収入高合計は1270億1800万円となり、10年前(1587億2100万円)より約2割減少した。ここ10年程度でネット広告費が急激に伸び、その反面、既存メディアの広告費が2年連続で減少したことが要因として考えられる(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」)。積極的な番組改編や、各番組から派生したイベントの実施などで増収となった企業も見られるが、広告収入が大きな比率を占める同業界において、ネット広告の伸長は脅威とも言える。

広がる「radiko」

 (株)radiko(東京都港区)ではデジタル化するメディア環境、それによる市場環境の変化に対応するため、2010年3月にradikoのサービスを開始した。radikoでは全国のラジオ放送をアプリ上で同時配信しており(民放連加盟101局中93局が参加)、オンラインでラジオを聴くことができる。スマホアプリダウンロード数は3000万以上(2019年3月時点)、日間ユニークユーザー数は約140万以上(2019年4月時点)にのぼる。

 これまでラジオと言えばラジカセや車の運転中に聴くのが一般的だった。しかし、radikoの登場で、今ではモバイル端末から気軽にラジオを聴くことができるようになったのだ。こうした利便性の拡大がradikoの急拡大につながったとみられる。

令和を伝えるラジオ

 radiko人気の反面、ラジオ業界を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続くとみられる。設備維持コストの負担が大きいことを背景に、民放連は2028年までにAMラジオ局がFM放送に転換もしくは両放送できるよう、総務省に法改正を求めた。

 聴くための媒体が変わり、聴きたいものも多種多様になった。人々は今日もスマホを覗き込みながら、自分が知りたいもの、聴きたいもの、見たいものを探している。人間からこういう欲求が消えることはないように、これからもラジオは形を変えながら人々の生活の中にあり続けるだろう。ただそのためには、ラジオの魅力をより一層引き立てるような、使いやすいサービスや独自コンテンツの強化といった手立てが必要だ。ラジオ放送業者はこれまでにない大きな変革を行うべき岐路に直面しているのかもしれない。

最終更新:8/1(木) 16:54
帝国データバンク

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