ここから本文です

愛媛の女子大生誤認逮捕に「昭和の古い捜査手法」…小川泰平氏が指摘した3点の捜査ミス

8/2(金) 20:09配信

デイリースポーツ

 愛媛県松山市で7月に20代の女子大学生が愛媛県警松山東署に窃盗容疑で誤認逮捕され、その前に自白を強要するような取り調べがあったことが明らかになったことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は2日、当サイトの取材に対して「昭和の古い捜査手法」と問題視した。

【写真】傘で突かれて失明…それでも刑事事件としての刑は軽い

 愛媛県警によると、今年1月、松山市で乗車していたタクシー車内から現金約5万4千円とセカンドバッグなど5点(時価計約2万2千円相当)を盗んだとして、7月8日に窃盗の疑いで女子大生を逮捕。だが、この女性は2日後に釈放され、再捜査で別の若い女が容疑者として浮上した。車内のドライブレコーダーの映像に写った犯人と顔が似ていたため、県警は逮捕したとしているが、この女性とは別人だった。

 誤認逮捕された女子大生の代理人弁護士が8月1日、松山市内で会見し、「執拗に自白を強要された。本当に悔しい」という本人の手記を発表。手記によると、女子大生は逮捕前に任意の取り調べを2回受け、県警から「タクシーに乗った記憶はないの?二重人格?」「就職も決まってるなら大ごとにしたくないよね?」などと言われたという。

 弁護士は「取り調べの際に大声を上げるなど威圧的な言動もあった。自白を取るための捜査に怒りを覚えた」と再発防止を訴えた。同日、その内容が報道されて以来、ネット上では「誤認逮捕」というワードが拡散している。

 「愛媛県出身者として気になっていた」という小川氏。「ずさんな捜査、思い込み捜査、中途半端な捜査」という3点を指摘し、「落とし方が昭和の時代の古い捜査手法」と批判した。同氏は「今は窃盗事件といえども綿密な詰めの捜査を全部行い、犯人を特定し、逮捕状の発付を受けて逮捕するのが基本」とし、それをしなかった「ずさんさ」を挙げた。

 小川氏は「タクシー内のドライブレコーダーに映っていた女性と酷似していたのは分かるが、他の乗客などの詰めの捜査をしていれば、誤認逮捕された20代女性がタクシーに乗っていなかったことは明らかである。それをしなかった点が中途半端」とした。

 さらに、同氏は「容疑者として浮上しても、実際にタクシーに乗っていたかどうかを周りから固めていくことが本来の捜査。容疑者がタクシーから降りたアパート前で、酷似している女子大生を発見し、決めつけたと思われる。アパートの他の住人をすべて調べていれば、真犯人が分かったはず。女子大生を任意に引っ張って来て、『叩けば落ちる』『初犯の窃盗だから簡単に落ちるだろう』という思い込みがあったはずである。ところが、落ちないものだから『就職が決まっているなら…』などと無理な取り調べに至ったのだろう。言っていいことと悪いことがある」と苦言を呈した。

 小川氏は「今回、弁護士が会見したのは、別の新しい犯人が捕まったから」と、別の犯人が特定されていなければ“うやむや”になっていた可能性も示唆。「勾留請求が却下されたのは捜査がずさんだったことの裏付け。最初からちゃんと捜査していれば、こんなことにはならなかった。私は捜査3課というところにいて、窃盗常習者とも接してきたが、令和の時代になって、窃盗犯と決めつける昭和の捜査手法」と、警察ОBとして今回の問題点に警鐘を鳴らした。

最終更新:8/2(金) 21:35
デイリースポーツ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事