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人手不足が深刻なコンビニ業界、ビジネスモデルの転換探る

8/3(土) 12:00配信

日本食糧新聞

コンビニエンスストアは、ビジネスモデルの転換期を迎えている。人手不足が深刻化している加盟店を支援するため、時短店の実験などで全店一律の運営の見直しや作業の省人化や効率化に本腰を入れて取り組む。2019年度の出店戦略も立地移転に重点を置き、純増数を大幅に減らす。大量出店と24時間営業を前提として全店一律の標準化された店舗運営が支えた成長戦略の見直しが迫られている。

経産省も対策に動き出す

2月に、大阪・東大阪市に店を持つセブンイレブンのオーナーが、人手不足から時短営業を始めたことを発端に加盟店の労働環境が社会問題として報じられ、国も動き出した。経済産業省が加盟店の人手不足の実態調査と各コンビニチェーンに改善の行動計画を求める事態になった。さらに経産省は6月28日、有識者による「新たなコンビニのあり方検討会」を開催した。

同検討会では従来の成長基盤の脆弱化が進行する中、商品・サービスの提供拠点のみならず、防犯・防災機能も期待されるようになったコンビニが今後担うべき社会的役割は何かと今後も持続可能な形で成長を続けるために、どのようにオペレーションやそのシステムを見直すべきかについて検討する。

並行して7月8日から全国のコンビニオーナーに対してヒアリングへの参加に関する意向調査も開始した。

経産省の要請によりコンビニ各社は5月に加盟店の人手不足対策について行動計画を公表した。主な内容は、省人化を柱とする店舗作業の効率化や時短店の実験、加盟店とのコミュニケーションの強化、食品ロス削減などの対応策が中心で取組みをさらに推進するというものだ。各社とも抜本的なビジネスモデルの再構築が必要との認識だ。

24時間営業、人手不足問題を受けて、セブン-イレブン・ジャパンは新体制を発足した。永松文彦氏を新社長に就け、新体制で加盟店との意思疎通を緊密にし、営業時間も個店ごとに柔軟に対応できるように事業を見直す方針を打ち出した。

4月の記者会見で、親会社のセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は「この1年で現場の情報が上がりにくくなっていた」と指摘した上で、出向したニッセンホールディングスでの実績を評価する永松氏に「現場の声を吸い上げる資質がある」と期待した。

コンビニにとって行動計画がビジネスモデルを見直す契機につながるか、各社の姿勢と実行力が問われる。人手不足に悩む加盟店から対策が評価されなければ、持続可能な成長を続けるのは難しい。地域や個店に応じた柔軟な事業構造へ改革できるかが大きな課題だ。

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最終更新:8/5(月) 10:28
日本食糧新聞

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