ここから本文です

「表現の不自由展」は、どんな内容だったのか? 昭和天皇モチーフ作品の前には人だかりも《現地ルポ》

8/5(月) 10:48配信

ハフポスト日本版

昭和天皇をモチーフにした作品も

入り口近くに展示されていたのは、1986年に富山県立近代美術館主催の「86富山の美術」で展示された大浦信行氏の作品「遠近を抱えて」(4点組)だ。

昭和天皇の肖像写真を曼荼羅(まんだら)や頭蓋骨などとコラージュした版画だ。自画像を描こうとして、日本のアイデンティティと切り離せない「天皇」も題材とした。展覧会終了後に美術館に収蔵されたが、一部県議から批判が寄せられたことを受け、美術館側は作品を売却。さらに、同展の図録を焼却したという。

大浦氏が今回の展示会をきっかけに作った映像には、作品を燃やすシーンが入っており、「美術館が図録を焼却した」ことへの反発をあらわしているとも解釈できる。

この他にも、『表現の不自由展・その後』に出展されていた嶋田美子氏の「焼かれるべき絵」や、藤江民の作品も、富山県立近代美術館の図録焼却事件をモチーフとして制作されていた。

また、日本の象徴天皇制をテーマにした小泉明郎氏のシリーズ「空気」より、東京都現代美術館での出品が不可になった作品(皇室の写真に絵の具で影を描いたもの)も展示された。

「平和の少女像」や安世鴻(アン・セホン)氏の写真

慰安婦を表現した作品には、韓国の彫刻作家キム・ソギョン、キム・ウンソン夫妻による「平和の少女像」のほか、韓国人写真家・安世鴻(アン・セホン)氏が撮影した元慰安婦12人の写真や、日韓合意を契機に高校生が描いた絵画「償わなければならないこと」を展示。

「平和の少女像」は2012年、東京都美術館でのJAALA国際交流展でミニチュアが展示されたが、同館運営要綱に抵触するとして作家が知らないまま4日目に撤去された。この展示をめぐっては、名古屋市長が「日本人の心を踏みにじるもの」などとして撤去を求めるなどの事態にも発展した。

作家・キム夫妻は8月1日のハフポスト日本版によるインタビューで、少女像は元慰安婦の女性たちが戦時中・戦時後に受けた苦痛を表現したものだと説明。「反日の象徴ではなく、平和の象徴です」と話していた。

2/3ページ

最終更新:8/5(月) 16:28
ハフポスト日本版

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事