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世界農業遺産の絶景「輪島の千枚田」ピンチ ネットで資金募る

8/6(火) 21:00配信

毎日新聞

 石川県輪島市の国指定名勝「白米千枚田(しろよねせんまいだ)」で、美しい棚田の景観の維持が危ぶまれている。過疎化による担い手不足を解消するために2007年に発足し、整備に貢献してきたオーナー制度の会員らの高齢化が進んでいるためだ。同市は耕作者を支援しようと、6日からインターネット上で資金を募るクラウドファンディングを開始。農機具の保管庫や休憩室を整備し、働きやすさ向上を狙う。

 日本海に臨む白米千枚田は約4ヘクタールの斜面に1004枚の棚田が広がり、11年には国連食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産に認定された。近年では過疎化による担い手不足を解消しようと、会費を納めるオーナー制度を導入して首都圏や関西など県外の住民にも協力を募り、現在では447枚がオーナー制度で維持。オーナーらによる田植えや手入れによって棚田の絶景が保たれ、観光客の目を楽しませている。

 ただ、発足から12年が経過し、オーナーたちの高齢化が進む。輪島市によると、オーナーで作る「白米千枚田愛耕会」(約30人)で中心となるメンバーの平均年齢は70歳を超えた。耕作放棄地の拡大も現実味を帯びる。現在の農機具保管庫は棚田から約2・5キロも離れており、休憩施設もないなど、オーナーたちには過酷な環境。寒さが残る春先などに農道に座って食事を取る光景もざらだったという。

 そこで、輪島市は千枚田近くの草地に施設を整備することを発案し、費用の一部に自治体へのふるさと納税の寄付を地域活性化のために使う「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」を活用することにした。目標額は3000万円。市産業部の山下博之部長は「施設整備によってオーナーの作業効率が上がるのでは」と語る。

 GCFの募集期間は来年2月まで。返礼品として輪島塗の椀(わん)や箸のセットなどを送る。詳細はhttps://www.furusato-tax.jp/city/product/17204で確認できる。【岩壁峻】

最終更新:8/6(火) 21:41
毎日新聞

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