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アルツハイマー病 予防ワクチンを開発 大豆から作製 原因物質を非毒性化

8/6(火) 6:05配信

上毛新聞

前橋・老年病研究所などのグループ

 認知症の原因となるアルツハイマー病について、老年病研究所認知症研究センター(前橋市、東海林(しょうじ)幹夫センター長)などの研究グループは5日、遺伝子を組み換えた大豆からワクチンを作製し、根本治療のための予防薬を開発したと発表した。マウスによる実験で、神経に悪影響を与えるタンパクを減らし、非毒性化させた。こうした仕組みの治療は世界初という。今後、臨床試験に向けて研究を続ける考え。

 研究グループは、アルツハイマー病の原因物質とされる「アミロイドβタンパク」の一部を組み入れた大豆タンパクからワクチンを作製。アルツハイマー病の脳を再現したマウスに1年余り、週1回経口投与し、通常の大豆タンパクだけを与えたマウスと記憶能力を比較した。

 ワクチンを投与したマウスには抗体が作られた。その結果、脳内のアミロイドβの総量は変わらないものの、毒性の高い物質の割合が減り、毒性の低い物質が増えて学習機能の低下が抑制された。治療で問題とされる脳髄膜炎や出血などの副作用は確認されなかった。

 アルツハイマー病患者の脳では、認知症が発症する25年以上前からアミロイドβがたまり、徐々に認知機能に障害が出るとされる。発症後は治療が難しいため、現在は予防治療が重視されている。

 今回の治療法は、発症前からの長期間にわたる投与を想定。注射ではなく経口投与で、植物の遺伝子組み換えによるワクチンのため安全性が高いとしている。

 研究は米国のアルツハイマー病研究の学術誌「ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディジーズ」の7月23日号に掲載された。瓦林(かわらばやし)毅副センター長は「今までにない仕組みの治療薬。安全で安価で、画期的な予防法だ」とした。

最終更新:8/6(火) 6:05
上毛新聞

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