大きな階段教室の中ほどに並んで座っていた5人の女子学生にも、上映後に話を聞いてみた。
「21世紀の日本で、国際常識と言って良い歴史の事実を否定する発言が普通にできるの? 信じられない!」
彼女たちは声をそろえて、驚きを口にするとこう続けた。
「ドイツで、国会議員やジャーナリストがこんなこと言ったら、たちまち袋だたき。誰にもまともに取り合ってもらえなくなりますよ」
▼無関心ではいられない
そうはいうものの、ドイツでもネオナチやポピュリスト政党が勢力を伸ばしている現実があるではないか。そう問うと「彼らが勢力を拡大しているのは事実。民主主義だから、極端な意見を持つ人がある程度いるのも仕方がない。でも、それが社会を覆い隠すようになった時の『危険』をドイツ人は歴史から学んでいる」ときっぱり。
ドイツでも1970年代から80年代初めにかけて、戦争への反省や謝罪はもういいだろうというような声があがったのだという。「でも、その時大きく声をあげて抵抗したのは、若者だったんです。同じ過ちを繰り返したら、一番困るのは若者だから」。彼女たちは歴史を、自ら未来につながるものとして引き受けているのだ。
「『慰安婦』の記述が日本の教科書から消されている!?」。 入れ墨と鼻ピアスが特徴の女子学生もびっくりしたように声を上げた。日本に2回留学したことがあるという彼女は、その当時に覚えた違和感に納得がいったとばかりに、こんなことを話してくれた。
「どうりで、日本人の学生と歴史や社会問題の話をしようとしても、何も知らないばかりか、興味もなくて、話がかみ合わなかったわけですね」
▼「過ち」こそ学ぶ
日本では、2006年に教育基本法が改訂されて以降、教科書から「慰安婦」などの記載がなくなったことで、その後の世代は学校でこの問題について学ぶことはなくなった。さらに、1991年に元朝日新聞記者の植村隆さんが慰安婦について報じた複数の記事が2014年に問題視され、検証した朝日新聞が謝罪記事を掲載した一件以降、大手メディアが慰安婦について触れることもほとんどなくなった。一部のメディアが取り上げることはあるが、その内容は過剰に感情的だったり、非論理的なことが少なくない。こうして日本社会では、慰安婦や慰安婦問題をタブー視したり、偏った印象を持って語ることが多くなった。
最終更新:8/9(金) 11:22
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