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【特集】ドイツの若者は慰安婦問題を扱った映画「主戦場」をどう見たか 「歴史を知る」。それは「問い続ける」ということ

8/8(木) 16:32配信

47NEWS

▼批判的視点

 今回の上映会とデザキ監督とのトークイベントは、デュッセルドルフ大学で学ぶ9人の学生たちの招請で実現したものだ。彼らは、日本学(地域研究)や歴史、政治、比較文化研究などを専門とする自主的な学際研究グループで、上映会の翌日にシンポジウム「私たちは恐れずに問う!」を開催。学生たちが自ら定めた研究テーマは「記号論から見る慰安婦像」、「ポストコロニアル視点からの慰安婦問題」「絶対的真理か、巧みなうそか」「櫻井よしこ―日本における歴史修正主義」など、20代前半の彼らからは想像できない専門的で学問レベルも高いものだった。

 グループのリーダーは笑顔があどけないキャロリンと、唯一の男子学生であるセバスチャン。シンポジウムを予定していた昨年暮れ、この映画の公開を知った。すぐさま、招請を計画したものの、デュイスブルク大学への働きかけや資金の捻出など、実現までには、結構苦労したのだという。

 「日本もドイツと同じ敗戦国だから、同じように批判的視点からの分析を徹底的に教えられていると思っていた」。そう語ったおかっぱ髪のジョアナは「批判的な視点から歴史を学べば、歴史修正主義者が口にする根拠に乏しいウソは、すぐに見抜けるはず」と指摘する。

 日本が大好きだというジョアナ。彼女が慰安婦問題に興味を抱いたのは、韓国系ドイツ人の友人に日本におけるマイノリティーの話を聞いたことだったという。

 その友人と一緒に、日本人留学生を含む研究グループを立ち上げ。大阪大学とミュンヘン大学でそれぞれ学生100人以上に、アンケートと聞き取り調査をした。「驚いたことに、日本人学生は、第2次世界大戦と日本についての質問に、ほとんど『知らない』と答えた。大学受験では世界史を選択する方が有利だから、日本の歴史、特に近代史については学ぶ機会がないと。自分の国の歴史を批判的に学ばなくては、国はだめになってしまうと思う」。そう口にする彼女の表情は何とも暗かった。

▼誇りとは 愛国心とは

 「過ちを認めた上で、謝罪し、どうしたら二度と同じ過ちを繰り返さないか考えて実行する。これができるドイツ人を、私はとても誇りに思っています」。

 ある女子学生が決然と言い放った言葉を耳にして、こんなことを考えた。

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最終更新:8/9(金) 11:22
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