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みんなが「子孫繁栄」にまっしぐら。 インドの結婚式に参列して考えた「結婚」の意味

8/8(木) 11:46配信

ハフポスト日本版

日中には50度近くなる灼熱のインド東部の地方都市・ヴィシャーカパトナム。

手作りの赤い衣装に身を包んだ花嫁の目の前に垂らされていた布が、すっと取り払われる。花婿の前に現れたのは、緊張した面持ちの花嫁だ。結婚式がはじまって早3時間。やっと主役の2人が初めてお互いの顔を見た。

【動画】日本とは全然違う……インドの結婚式の様子

彼らの結婚は、インドの伝統的なアレンジマリッジ(見合い婚)である。

日本の結婚式とは大きく異なるインドの結婚式を取材したのは、就職前の学生が実際の家庭に“留学“するサービスを提供している株式会社manma代表取締役の新居日南恵(におり・ひなえ)さんだ。新居さんが現地で体験したインドの伝統的な結婚式の様子をハフポスト日本版に寄稿した。

インドの結婚の目的は、ズバリ「子づくり」

今年の春、友人の元同僚が結婚式をするというので、インドの結婚式という魅惑的な響きに惹かれて滞在先から少し足を伸ばしてこの結婚式に参列してきた。

デリーなどの都市部の一部では、恋愛結婚も随分と浸透しているようだが、多くの地域ではいまだに見合い婚の文化が根強いインド。適齢期になると、同じカーストで収入レベルも近しいような適当な相手をそれぞれの家族が探してくるそうだ。

今回私が参加させてもらったのは、15年近くお互いに顔見知りという20代の2人の結婚式だった。歩いて5分ほどの家に住んでいるご近所同士で、新婦の姉が新郎と学校の同級生だったらしい。

インドの結婚の目的は、ズバリ「子づくり」。儀式における全てが、若い男女が子どもをもうけるための重要なプロセスとして設計されていることに、私は衝撃を覚えた。

また、インドの結婚式に参列して印象的だったのは、日本が過去のものとしはじめている伝統的な性別役割分業だ。儀式のスタイルも、その準備も、全てに「男の仕事」「女の仕事」というカルチャーが見てとれる。

まず結婚式がとにかく長い。日本ではせいぜいお昼頃から始まって数時間といったところだろうか。しかし、インドの結婚式はとにかく伝統的な儀式が数日にわたって延々と続くのだ。私は、メインの儀式の当日の朝から参加させてもらった。まず、家の庭に大量の水とお花を用意して、家族全員が新郎にお花入りの水を浴びさせるところから始まる。そんな細々とした取り決めが山のようにあり、様々な儀式をこなしていくことになる。

儀式を取り仕切るのは、女性たちだ。新郎の母親や従姉妹がぞろぞろと10人ぐらい出てきて、ワイワイと、そしてテキパキと全ての儀式の準備をこなす。この地域ではいまだに専業主婦が多く、男性が外に働きに出て、女性が家のことを完璧に取り仕切っている。数日間続く儀式の間、男性たちはまるで空気のように振る舞い、何かを手伝うわけでもなく、邪魔になりそうなタイミングを察知してはその場から消えていった。

なんで男性は何もしないのか? と尋ねると「家のことをやるのが私の役割だから。それに彼らにやらせたら大変なことになるわよ」と笑っていた。

やや脱線してしまうが、インドの女性たちは女性同士で極めて強固なコミュニティを形成している。遠い東の国からきた私に対しても、とてもインクルーシブで、一緒に過ごした数日間、いつも私が孤立しないように誰かが一緒にいてくれた。こうやって女性たちが団結して家を守るのだなと、感心してしまう。

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最終更新:8/8(木) 11:46
ハフポスト日本版

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